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■かざす決済の牽引者


ソニーの非接触IC技術方式
「フェリカ」に金融界が熱視線

■金融事業を中核に、ソニーが新たなグループ展開へ──

 ソニーは2021年4月に社名をソニーグループに変更する。同時にソニー損保、ソニー生保、ソニー銀行の金融事業を手掛けるソニーファイナンシャルホールディングスを完全子会社化し、グループの中核事業と位置付ける方針を打ち出した。
 ソニーはテレビやカメラ、半導体といったエレクトロニクス事業、ゲーム、映画、音楽などのエンターテインメント事業、そして金融事業と幅広い事業領域を持っている。ソニーグループは、これら事業の持ち株会社となるもので、「多岐にわたる事業をまとめていく会社として再定義する必要があった。本社はグループ経営に集中すべきだと判断した」(吉田憲一郎社長)という。
 このソニーの決断に、取引銀行であるメガバンク幹部は、「財務畑の長い吉田氏らしい、手堅く戦略性に富んだ決断だと思う。ITと金融を融合したフィンテック分野など、金融を核に多様な事業とのシナジーが期待できる」と評価する。
 その金融事業におけるソニー最大の強みとして金融界が注目するのが、「Suica(スイカ)」などの交通系カードや「Edy」などの電子マネーの決済システムに活用されている「非接触ICカード技術方式」の「フェリカ」だ。

キャッシュレス拡大で
需要増大は間違いなし


 俗にTかざす決済Uといわれる非接触ICカードは、いまや世界の決済シーンを牽引している。その中心的な技術である「フェリカ」は、1枚のチップに乗車カード、電子マネー、社員証など複数のサービスが搭載可能で、アップルのiPhoneにも採用されている。新型コロナウイルスの感染拡大により、特に海外では「決済は非接触」が主流になりつつあり、現金主義が根強く残る日本でも政府の各種キャンペーンもありキャッシュレス決済が急速に浸透し始めている。キャッシュレスの領域拡大に合わせ、ソニーの「フェリカ」の需要が増大することは間違いないだろう。
 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが発行を検討しているデジタル通貨と「Suica」との連携に動き出したのはその代表例であろう。「国内大手の暗号通貨取引所のディーカレットが事務局となってデジタル通貨や電子マネーの相互利用を検討する協議会が組織される。メガバンクほか、JR東日本など十社程度が参加する予定で、金融庁や経産省、日銀もオブザーバーとして参加する」(メガバンク幹部)とされる。その中核技術こそがソニーが開発した「フェリカ」にほかならない。
 決済を巡っては、ノンバンクからの参入も相次いでおり、従来の金融機関の独占は崩れつつある。ソニーの「フェリカ」に金融界が熱い視線を注ぐのも無理はない。
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