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大学だってお金がないと……


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■大学の経営資金調達


大学の債券発行要件緩和で進む
財務戦略の高度化と競争力の差

■大学も国際競争に勝ち抜かなければならない時代だ──

 文部科学省は国立大学による債券発行の要件を緩和する方針を固めた。国立大学が発行する債券は「大学債」として流通している。だが、その発行は附属病院の学生寮の整備、キャンパス移転のための土地取得などの直接的な収入が見込める事業に充てることが要件となっている。「大学の財務を健全に維持するためには、大学債による資金の使途には一定の縛りが必要という認識だった」(国立大学と取引のある大手証券幹部)ためだ。
 文科省はこの制限を緩和し、最先端技術の研究・開発のための施設の整備など、中長期的な視野に立って大学の競争力を高めることができる事業にも大学債の発行を認める方針をとる。そのために、今春にも国立大学法人法の施行令を改正する見通しだ。
 今回の規制緩和は東京大学の政府への要望がきっかけだった。
 東京大学は企業と連携して半導体研究や量子コンピューターの設置などを計画しており、そのための資金調達が必要となっていた。このため「東京大学さんはかなり前から債券を発行して資金を調達する準備をされていました。すでに格付投資情報センター(R&I)から『ダブルAプラス』の高い格付けも取得しており、大学債の発行で数百億円を調達する計画をお持ちだと聞いています」(先の大手証券幹部)という。
 国立大学の資金調達は国からの補助金や長期の借入、企業からの資金支援などがあるが、金額に限りがあるほか、調達に時間を要するケースが多かった。それだけに大学債の発行要件が緩和されれば、より機動的な資金調達が可能となり、財務の機動性が増す。

資金運用には
一抹の不安も


 財務戦略の高度化では、大学の資金運用も機動性が増している。2017年に国立大学法人法が改正され、世界最高水準の研究・教育を目指す「指定国立大学法人」や、文科省の認定を受けた国立大学は、幅広い有価証券への投資が可能になっている。指定国立大学法人には東京大学、京都大学、大阪大学など7校が指定され、それ以外に文科省から19大学が運用拡大の認可を得ている。資金調達、資金運用の両面から大学の財務基盤の充実が期待されている。
 だが、大学の資金運用には一抹の危うさも伴う。「駒澤大学はデリバティブ(金融派生商品)運用で154億円の損失を出した」──。今から12年前の2008年末、こんな記事が新聞紙上を賑わしたのは記憶に新しい。
「当時はミニバブルで、どこの大学も銀行や証券会社の口車にのり、金利スワップや通貨スワップなどをこぞって購入していました。それがリーマンショックで一気に暗転、巨額な損失を抱えてしまったのです」(私立大学教授)
 その後始末のために、キャンパスや野球部のグラウンドなどの保有資産に根抵当を付けるなどして、資金繰りを支えた大学も少なくなかった。
 大学はこの緩和で、資金調達、資金運用の両面で自由度が増し、財務の選択肢が広がる。それは大学という特殊な法人が、一般事業会社に近づくことでもある。当然、財務のリスク度は高まるが、国内では人口減少が進む一方、各種研究分野における海外の大学との競争も高まる。そんな中、資金調達は避けては通れない道なのだ。
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