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行政府の長、安倍首相がヤジでお詫びする失態も、その本音が見え見えの国会での答弁が続く


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石破茂議員への冷遇も「効果」を発揮している?


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■巻頭リポート


検事長の定年延長介入は重大問題
安倍「長期政権」の驕りが露呈

■野党は「桜を見る会」問題の追及に励むが、安倍政権が民主主義、三権分立という国家形態の根本を揺るがすことを無自覚のままにやっているのは問題だ── またしても長期政権の驕りを象徴する問題が起きた。しかも野党が鬼の首を取らんと意気込む「桜を見る会」よりも深刻な、議会制民主主義の根幹を揺るがしかねない問題だ。政府が東京高検検事長の黒川弘務氏の定年延長を閣議決定したことである。この事案は、桜を見る会やその前夜祭、さらには安倍政権下で起きた、財務省による文書改竄を上回る大スキャンダルなのだ。
              ◇

安倍首相が国会で驚くべき答弁

 黒川検事長は2月8日の誕生日で63歳になり、定年退官する予定だった。ところが、政府が1月31日の閣議で黒川氏の定年延長を決めたのである。
 国家公務員の定年延長は、国家公務員法81条の3に以下のように書かれている。
「任命権者は、定年に達した職員が前条第1項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる」
 何だ、それなら定年延長は問題ないのではないか──。そう思われるだろう。だが、「前条第1項」にはこう書かれている。
「職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日又は第55条第1項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する」
 つまり「法律に別段の定めがある場合」はこの規定が適用されないから、前述の81条の3による定年延長はできない。
 検察官の定年については、「別段の法律」である検察庁法の第22条で「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する」と定められている。
 この特別法(検察庁法)には、定年延長の規定はない。それには理由がある。特別法は検察官の身分を保証する一方で、恣意的な定年延長などが行われないように定められているもので、行政組織からの検察官、つまり司法の独立性を維持する「三権分立」が根本にあるためだ。
 にもかかわらず、行政のトップである閣議の決定だけでこれを覆してしまった。本来、検察官の定年を延長しようと思えば、検察庁法に定年延長を可能とする規定を入れる法改正を国会で行う必要がある。この点を国会で追及された安倍首相は、驚くべき答弁をしてしまう。「検察官も一般職の国家公務員であるため、検察官の勤務延長は国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」としたのだ。
 実は、1981年に、国家公務員法の定年延長規定は検察官には適用されないという政府答弁が行われていた。この点を追及されると、今度は法解釈を見直したと言い出した。しかも、森雅子法相の答弁では、その法解釈を見直した時期を2020年1月であるとした。つまり、閣議で黒川氏の定年延長を決める直前に法解釈を変えたことになる。

三権分立の原則に
手を突っ込んだ人事


 なぜ黒川氏の定年が延長されることになったのか。夏の定例人事で黒川氏をトップの検事総長にするために、定年を半年延ばした、とみられている。検事総長は法務省の事務次官経験者が就く、役所よりも上の存在だ。ここにも三権分立が表れているが、安倍首相はその人事に手を突っ込んでしまったのだ。
「おそらく安倍さんは、仲の良い黒川氏を検事総長にしてやりたいという友達感覚で、定年延長してしまったのだろう」と首相の側近は言う。しかも「政権に都合の良い人物を検事総長にすることで、司法を意のままにしようなどと考えた結果ではない」と言うのだ。だが、そうした安倍首相の「友達を大事にする人の良さ」が権力者としての権力乱用に結びついてしまいかねない危険さを孕んでいる。
 そうでなくても、19年末には自民党衆議院議員の秋元司氏が東京地検特捜部によって逮捕されたばかり(2月に保釈)。現職国会議員の逮捕は10年ぶりのことだった。国会議員の逮捕にゴーサインを出す検事総長を、首相が強引に意中の人物にしようとしていること自体、秋元議員のカジノを設置するIR(統合型リゾート)に関する事件が広がることを避けるために、人事介入していると思われても仕方がない。
「検察の人事に政権が手を突っ込むのは三権分立の死だ」(国民民主党の奥野総一郎議員)
 そんな声が野党から挙がるのは当然のことだろう。与党議員の中にも声高には言わないものの「これはちょっとやりすぎ」と語っている人は少なくない。
 これは明らかに長期政権の「驕り」だろう。安倍首相自身が傲慢になっているというよりも、絶対権力者の安倍首相を誰1人として諫める人がいなくなっているからだ。一般にはあまり分からない霞が関である上に報道機関も細かく伝えないことだが、安倍首相の苛烈な人事は、関係者には有名だ。逆らったり、言うことを聞かなかった官僚が、その後の人事で不遇をかこった例は少なくない。「本当によく覚えている」と大物官僚OBも舌を巻く。逆に言えば、安倍首相を諫(いさ)めることなど、普通の官僚には怖くてできないわけだ。
(以下、本誌をご覧ください)
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