ダミー
ダミー

←1月号へ                                       3月号へ→

 自衛隊の中東派遣には特別措置法が不可欠だった

 政府は中東へ自衛隊のP3C哨戒機2機と護衛艦「たかなみ」を派遣した。根拠は防衛省設置法の「調査・研究」。日本船舶の安全航行のための情報収集とされるが、日本船舶や外国船舶が目の前で襲撃されても何もできない「お地蔵さん状態」だ。
 自民党内にも「特別措置法が必要では」(中谷元・元防衛相)との声が上がる中、政府は昨年12月末には派遣を閣議決定し、年明け早々に自衛隊を中東へ送り込んだ。
 政府が派遣を急いだのは米国が主導する「有志連合」が昨年11月7日に中東のバーレーンに置かれた米海軍第五艦隊司令部に発足したことがある。作戦名は「オペレーション・センチネル(番兵作戦)」。航行の自由を確保するため海運に関わる脅威を抑止し、海洋の状況把握と監視を強化するとしている。
 ただ、米国が60カ国以上に参加を呼び掛けたにもかかわらず、参加は英国、サウジアラビアなど六カ国にとどまった。活動海域は、ペルシャ湾、ホルムズ海峡、バブ・エル・マンデブ海峡、オマーン湾の四カ所となっている。
 注目されるのは、この活動海域だ。日本政府の閣議決定は、自衛隊の活動海域について「オマーン湾、アラビア海北部およびバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾の三海域の公海」としており、「有志連合」が決めた活動海域と重複する。しかも日本政府は「有志連合」との情報交換のため、バーレーンに海上自衛隊の連絡幹部を派遣する。
 米国のエスパー国防長官ら複数高官が日本の対応を「歓迎する」と述べているのは、「有志連合」に加わらなくても自衛隊の中東派遣は米国の呼び掛けに応えたものであり、能力の高い自衛隊による情報収集は「有志連合」を補完するものになると見ているからにほかならない。
 何のことはない、自衛隊の中東派遣は実質的には「有志連合」への参加。そのために派遣を急いだのだ。
 今回の閣議決定は「不測の事態が発生した場合には海上警備行動を発令して対応する」としているが、海上警備行動の発令には防衛相が首相の承認を得て、部隊に命じる必要がある。目の前で日本船舶が攻撃される事態に遭遇したとすれば、海上警備行動の発令を待つ余裕があるだろうか。
「いざとなれば自衛隊はシーマンシップに則り、適切に対応する」と話し、脱法的な活動を期待する防衛省幹部もいるが、現場に責任を押しつけるやり方は法治国家とは言えない。中東派遣が必要というなら、特別措置法案を通常国会に提出し、国民の目に見える形で議論する必要があるだろう。


 「勇退否定」で露呈した安倍首相の焦り

「ユズは9年の花盛り。このユズまでは責任を持って、皆さんとともに大きな花を日本に咲かせたい」──。年初の1月7日、安倍晋三首相が自民党本部での仕事初めで口にしたこの言葉は、政界に大きな波紋を広げた。自民党総裁三期目の任期満了となる来年九月で、首相の総裁在任期間は丸九年となる。だが、一部では東京五輪・パラリンピック後の任期途中の「花道勇退」の可能性もささやかれている。そうした中で飛び出した「ユズ9年」発言に、首相周辺の一人はつぶやいた。「戦略変更だ。首相は弱気になっているな」。
 そもそも安倍氏の花道勇退説は、岸田文雄政調会長への禅譲諭と表裏一体の関係ある。首相に近い政府関係者は「安倍首相の基本戦略は2つの柱からなる。1つは、退任後もできるだけ政治的影響力を残せる後継者にバトンタッチすること。もう1つは、政敵の石破茂元幹事長を絶対に阻止することだ」と解説する。
 そこで首相は、外相、党3役として重用し、前回総裁選で出馬を見送り、「安倍支持」に回った岸田氏への禅譲がベストと判断している。ただ、任期満了に伴う総裁選だと、地方の党員投票も含めた選挙となり、石破元幹事長が後継総裁に選ばれる可能性もある。このため「首相は、総裁が任期途中で退任した場合、党所属国会議員による両院議員総会で後継総裁を決める規定を適用することを模索している」(自民党関係者)。
 ところが、首相にとって悩ましいのが岸田氏の不人気だ。各社世論調査によると、次の首相として岸田氏の支持率は低いまま。一方、かつてトップを走っていた小泉進次郎環境相に代わって石破氏が優勢だ。しかも、昨秋以降、安倍政権は「桜を見る会」問題やカジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で逆風にさらされている。
「花道勇退は政権の求心力維持が大前提。政権が勢いを失えば、『安倍降ろし』となってしまう」。首相側近の一人は、安倍氏の勇退否定の背景をこう説明。その上で、総裁任期切れに続いて来年10月に任期満了となる衆院の解散・総選挙のタイミングが今後の最大焦点だと指摘する。
 確かに、次期衆院選で自民が大幅に議席を減らせば、与野党の政権交代は起きなくても、安倍氏の引責退陣に直結。影響力温存を軸とした安倍氏の出口論は破綻する。新年早々の勇退否定は、首相の焦りの裏返しと言えよう。


 米国の対中・露の思惑の中、日本へのINF配備が浮上

 昨年八月に米国とロシアの中距離核戦力(INF)全廃条約が失効した後、米露はそれぞれ新型中距離ミサイルの開発・配備計画を進めている。しかも、日本へのINF配備の可能性が取り沙汰されている。もしこの配備計画が浮上すれば、国民の猛反発が予想され、東京五輪どころではなくなりそうだ。
 エスパー米国防長官は条約失効を受けて、「中距離ミサイルをアジアに配備したい。どこに配備するか決めていないが、早いほうがいい」と指摘。核弾頭ではなく、通常弾頭を考えていると述べた。
 今のところ、米領グアム、韓国、フィリピン、日本が候補に挙がっているが、中国の核戦力への対抗が狙いだけに、韓国では近すぎ、グアムでは遠い。必然的に在日米軍基地が有力候補になりそうな気配だ。
「核の配備になれば、『非核3原則』違反となり、内閣は持たないので、あくまで通常弾頭と主張するでしょう。通常弾頭といっても、有事には核への付け替えが可能です」(防衛省詰め記者)
 中国だけではない。ロシアも中距離ミサイルのアジア配備に警戒している。沖縄の地方紙「琉球新報」は昨年10月、「ロシア大統領府関係者」の話として、「米軍の中距離ミサイルを2年以内に沖縄はじめ北海道を含む日本本土に大量配備する計画が、米政府関係者からロシア側へ伝えられた」と報じた。
 北海道には米軍基地がなく、「2年の大量配備」は不可能で、ロシア得意の「フェイク・ニュース」とみられるが、ロシアは米軍のミサイルを配備しないよう安倍政権をけん制しているようだ。日本配備が決まれば、安倍・プーチン交渉は吹き飛ぶことになる。
 米露が長年、中距離核を全廃したため、この分野では中国が圧倒的優位に立つが、米軍が配備を再開すると中国優位が崩れかねない。それだけに、今春の習近平国家主席の訪日などの機会を通じて、日本に配備しないよう圧力をかけそうだ。米中露の狭間で安倍外交は難しい対応を迫られる。


 松岡修造氏や山本太郎氏、都知事選をめぐるさや当て

 6月18日告示、7月5日投開票の東京都知事選まで半年を切り、水面下でさまざまな動きが出てきた。現職の小池百合子知事は再選を目指して立候補する見通しの中で「反小池」の自民党都連が独自候補を擁立できるかどうかが注目される。党本部の二階俊博幹事長が小池再選支持を繰り返し唱えていることもあり、都連の候補者選びは難航している。丸川珠代参院議員、鈴木大地スポーツ庁長官といった名前は挙がるものの小池氏の牙城を崩すまでには至らないとされる。
 新たに白羽の矢が立っているのは、タレントの松岡修造氏(52)だ。松岡氏は阪急電鉄、宝塚歌劇団を創業した小林一三氏のひ孫に当たる。元テニス選手で「日本一熱い男」が売りだ。東京五輪では日本選手団の応援団長を務める。熱血漢の上クリーンなイメージから老若男女に人気が高い。
 自民党都連としては、なるべく自民党色を出さずに「推薦」の無所属候補として出馬させ、小池氏を打ち負かせばそのまま20日後の五輪へとなだれ込むことを考えている。
 松岡氏周辺は、自民党都連から打診のあったことは認めるが、本人の結論はまだ出ていないという。
 自民党都連が小池氏への反発を緩めないのは、前回16年知事選で自民推薦の増田寛也氏(現日本郵政社長)が小池氏に敗れ、翌17年都議選でも小池氏が率いる「都民ファーストの会」に負け、都議会自民は半分以下になった。21年に次の都議選を控え小池氏を支持しにくい面がある。ただ、安倍晋三首相は二階氏に「小池氏に勝てる候補は見当たらない」と語り、都連に小池氏と関係修復を促している。都政では小池氏寄りの立場である公明党の山口那津男代表も「都政がこれからも継続性をもって都民第一で進んでいくよう」と語り、小池氏再選支持を示唆している。
 こうした動きに対し、自民党内には6月に衆院を解散し、7月5日に総選挙と都知事選の同日選挙を目論む奇策がささやかれている。12年に衆院選と都知事選の変則同日選が行われた実績があり、あながち荒唐無稽とは言えない案である。狙いは、衆院選に力を注ぐため公明党を小池氏から引きはがすことにつながる。だが、自民都連が候補者を擁立できなければ、同日選の相乗効果がなくなるので意味がない。
 一方で、日本初の左派ポピュリズム政党「れいわ新選組」の山本太郎代表が小池氏の「刺客」として都知事選に出馬するのではないかという見方が浮上し、小池氏陣営は警戒心を強めている。本人は否定も肯定もしていない。仮に、自民都連が候補者を立てると、東京都の保守票は小池氏と自民候補で2分され、漁夫の利を得るのは山本氏ではないかという観測があり、成り行きが注目される。また、立憲民主党、国民民主党、共産党など野党は統一候補の擁立が必要との認識で一致しているが、まだ具体的名前は挙がっていない。


 ノーベル賞学者・本庶氏がAMEDを痛烈に批判

 ノーベル生理学・医学賞受賞者である本庶祐京都大学特別教授(京大高等研究院副院長)が日本医療研究開発機構(AMED)を痛烈に批判した。それもAMEDが主催するシンポジウムの講演で、しかもAMEDの末松誠理事長を前にして「国が大企業の研究にお金を出すのは基本的におかしい。アカデミアでシーズを開発する研究にこそお金を出すべきだ」と批判したのだ。
 AMEDは米国立衛生研究所(NIH)を参考に、日本の創薬ベンチャーを世界的な製薬会社に育てる司令塔として設立。厚生労働省、文部科学省、経済産業省の医療研究予算をAMEDに一元化して基礎研究から実用化まで切れ目のない研究支援を行う安倍政権の目玉政策である。
 そのAMEDに本庶教授は「多くの批判がある。(理事長の)末松先生が怖いのと予算がつかなくなることを恐れて、誰も表立って言わないが、僕が代表して提案する」と前置きし、「AMEDは大手製薬メーカーの研究を採択して多額の研究費を支給し、ベンチャーの研究には支援金を絞っている。米国でベンチャーが数多く出てきているのは国の支援があるからだ。国はベンチャーにこそどんどん支援すべきだ」と?みついた。
 実際、今までにAMEDが公募事業で支援対象とした研究には大手製薬企業が並んでいる。例えば、第一三共には3件の研究に2億5000万円が支援され、エーザイには末松理事長の出身校、慶應義塾大学との共同研究である「認知症の創薬標的創出」事業を筆頭に関連会社分を含めて5件の研究に16億3000万円、フジフイルムも5件で3億8000万円、大日本住友製薬は4件で5億円と、大手製薬会社の研究が並ぶ。
 しかも、選考基準は陰で「出来レース」といわれていると指摘する。本庶教授自身、かつて「意味が分からない」理由で採択されなかった経験があるそうで、研究者の間では「AMEDから細かい指示があり、それを当てはめると、どこの研究が採択されるか推測できる」といい、「コネがないと採択されない」と囁かれていると批判する。
 歴代のノーベル賞受賞者が「安倍内閣は製品化に繋がる研究には金を出すが、基礎研究には出さない。このままでは将来、日本からノーベル賞受賞者が出なくなる」と警鐘を鳴らしているが、ベンチャー育成を謳うAMEDも今のままでは看板倒れになりかねない。


 経済同友会の新副代表幹事、注目は新浪氏と車谷氏

 経済同友会は、4月28日の通常総会で正式決定する新任の副代表幹事に、サントリーホールディングスの新浪剛史社長、日本政策投資銀行の栗原美津江常勤監査役、東芝の車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)、ブイキューブの間下直晃社長の4氏を充てる人事を内定した。
 昨年四月に就任した櫻田謙悟代表幹事が手掛ける初の幹部人事ということから、「櫻田色」をいかに打ち出すかが注目された。その点、42歳という同友会で歴代最年少の副代表となる間下氏と女性の栗原氏の起用が強調されがちだ。
 しかし、それ以上に注目度が高いとみられるのは新浪、車谷の両氏だろう。新浪氏は2010年4月から16年4月まで3期・6年間、副代表幹事を務めた。代表幹事の座をめぐっては前任の小林喜光氏と並んで最有力候補として取り沙汰された時期もあった。
 新浪氏は現在、政府の諮問機関である経済財政諮問会議の民間議員を務め、財界活動としては昨年5月に経団連の審議員会(会長の諮問機関)の副議長に就いている。従来からこのポストは経団連副会長への登竜門ともいわれてきた。そのため新浪氏が財界活動の場を経団連に鞍替えしたとの評があった。それだけに、6年ぶりとなる今回の同友会副代表幹事への返り咲きは、同友会が安倍晋三政権への発言力を高める狙いがあるのでは、などなどさまざまな憶測を呼ぶ。
 一方の車谷氏は、東芝のトップが財界での本格活動を再開するという意味で注目が集まる。東芝といえば、粉飾決算問題が発覚する前までは、歴代トップが経団連の会長、副会長を歴任してきた、いわゆる「経団連銘柄」の代表格だった。その意味でいうなら、車谷氏の同友会副代表幹事への就任は、東芝の財界活動への本格復帰と捉えられなくもない。同友会は経営者個人が会員として加入するため、企業・団体を会員としている経団連との首脳人事と趣は異なるのは確かだ。
 車谷氏自身は三井銀行出身で三井住友フィナンシャルグループ元副社長の経歴もあり、金融界とのつながりが強い同友会との親和性もある。また、東芝の生え抜きでないことから、財界活動本格復帰に対する風当たりも小さいとみられる。
 同友会の櫻田代表幹事は就任時に、政策提言に終わらせず提言を確実に実行に移す方針を掲げた。副代表幹事への就任が内定した新浪、車谷両氏に共通するのは「再登板」「財界活動再開」という「Re」のキーワードであり、櫻田同友会にどんな刺激を起こせるか──。4月の正式就任後の動向が注目される。


 前金融庁長官の会社に集まる元JICの面々

「歴代最強の金融庁長官」の呼び声高かった森信親氏が退官して約1年半が過ぎたが、その森氏が設立したコンサルタント会社「日本金融経済リサーチ」に、経済産業省とのバトルの果てに民間出身の取締役九人全員が辞任した産業革新投資機構(JIC)の元役員が顧問として入っているとの情報が飛び込んできた。その中には、「もはや法治国家ではない」との捨て台詞を残してJICを去った前社長の田中正明氏(元三菱UFJフィナンシャル・グループ副社長)もいる。
「森氏と田中氏は以前から非常に仲が良かった。森氏は金融庁長官時代に田中氏を同庁参与に招き、『金融モニタリング有識者会議』『フィンテック・ベンチャー有識者会議』『スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議』の三つの審議会の委員に就けた。また、経済産業省も『IoT推進ラボ(IoT支援委員会)』の委員にも推挙した」(金融庁関係者)とされる。
 この人脈がその後、田中氏のJIC社長就任へと繋がっていくことになる。
「田中氏をJICの社長に推薦したのは、金融庁の森長官と、田中氏と同じく同庁参与で経営共創基盤代表の冨山和彦氏だ。経産省や金融庁に顔が利き、官邸にも近い冨山氏は、田中氏と同時にJICの社外取締役に就いた」(同)
 しかし、JICの社長に就いた田中氏は、1億円を超す報酬を巡り経産省幹部と対立、報酬引き下げを求める経産省幹部との会談の席を蹴って社長を辞した。同時に社外取締役に就いていた冨山氏も辞任する。
 この顛末について、市場関係者は「投資ファンド役員の報酬は億を超えることは一般的で、田中氏の言い分に理がある」と解説する。その経緯を熟知している森氏が、旧知の田中氏らを自らの会社に招いたということだろう。森氏の会社には、同じくJIC役員を辞任した財務省出身の戸矢博明氏も参加しているようだ。
 また、森氏は有力な出版社から自身の金融庁時代の行政経験を集大成した著作を出版する準備を進めているとされる。金融庁の組織を抜本的に見直し、バブル崩壊後の不良債権処理の礎となった「金融検査マニュアル」の廃止を決めるなど、従来の金融行政を大きく変革させた森氏。その一方で、スルガ銀行の躓きや仮想通貨問題など、社会的な批判を浴びた案件もあり、そのあたりをどう回顧するのか、興味は尽きない。


 メガバンクの海外出資に負の側面が顕在化

 米国によるイラン・ソレイマニ司令官の殺害を機に緊張が高まる中東情勢。1月8日にはイランが米軍基地へミサイル攻撃を行うなど報復の応酬が危惧されており、世界の株式市場も危険な状況に陥りつつある。
 こうした中、メガバンクが新たなリスクとして懸念し始めているのがグローバルネットワークの拡充策として積極的に進めてきた海外出資案件の減損リスクだ。
 年の瀬が迫った12月30日、三菱UFJフィナンシャル・グループは、昨年4月に子会社化したインドネシアの商業銀行「バンクダナモン」の株価が大幅に下落したため、2019年4〜12月期連結決算に2074億円の特別損失を計上すると発表した。同グループはバンクダナモンの普通株式の94.1%を保有している。「バンクダナモンの株価が取得原価の50%以上下落したため、のれんの一括償却を行ったものだ。あくまで会計上の保守的な措置で、株価が回復すれば繰り戻し益が生じる」(銀行アナリスト)というが、年明け以降の中東情勢の緊迫化から、株価が回復するかは予断を許さない。
 こうした海外出資案件は三菱UFJに限ったことではなく、三井住友フィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループなど他の大手銀行についても当てはまる。「邦銀はここ数年、海外、とくにアジアの営業基盤拡充を急いでおり、現地銀行などを買収する戦略に打って出ている。今回の三菱UFJの減損処理は、その負の側面が顕在化した象徴的な事象」(同)と言っていい。
 メガバンクなど大手行が海外買収に前のめりになる背景には、長引く低金利で国内の預金貸出業務では利益がとれないという苦しい台所事情がある。それをカバーするためにも海外でのビジネス強化を急いでいるわけだが、世界的な株価急落という思わぬ落とし穴がぱっくりと口を開けていたようだ。
 メガバンクの全体収益に占める海外部門の寄与率は上昇しており、「半分は海外で稼ぎ出す体制を目指している」(メガバンク幹部)という。とくに成長余力の高いアジア地域における基盤強化は不可欠で、「アジア各国は、外資導入の促進から、地元金融機関への出資規制を緩和する流れにある。これまでマイナー出資しか認められなかった国でも株式の過半を取得し、傘下に収めることも可能となりつつある」(メガバンク幹部)とされる。
 メガバンクによるアジア地域での買収案件は増加する可能性が高いが、投融資には常に減損リスクが伴うことも忘れてはならないだろう。


 早くも迷走が始まったゴーン後の日産新体制

 カルロス・ゴーン元会長の日本からの逃亡劇で話題をさらう日産自動車。ゴーン元会長の「独裁制」からようやく解放されて、社外取締役らが中心となって人事や報酬を決める「指名委員会等設置委員会」会社に移行。その指名委員会が、内田誠新社長を中心とする集団指導体制に移行したのもつかの間、同氏の右腕として業績回復の陣頭指揮を取るべく副COO(最高執行責任者)となった関潤氏が日本電産に引き抜かれてしまった。
 そもそも日商岩井(現・双日)出身の内田氏が社長になったのは「色がないから」(日産幹部)だ。つまり、ゴーン氏を追い出した西川廣人前社長など、権力闘争に明け暮れた日産生え抜きの上層部のどの派閥・系譜にも属していない人物だ。内田氏に関しては、「『語学が堪能なため、仏ルノーとの交渉や中国の合弁トップなど海外事業を中心に手堅く仕事をしてきた』ということしか知らない社員は多い」(同)という。
 一方、日産が当初、次期社長として考えていたのは関氏だった。しかし、西川氏が社長だった当時、一万人を超える従業員の削減や、工場の能力削減など経営再建を担当する再建担当として任命されたため、「不正報酬問題で会社を追われた西川氏に近い」と指名委員会が難色を示した。さらに、関氏は日産の大株主である仏ルノーとの統合に反対していたため、ルノーも関氏のトップ就任に反対した。
 その結果、内田氏が新社長になったわけだが、「社内事情に疎い内田氏は、いまだ会社に居座る西川氏や、西川氏の後任として暫定社長だった山内康裕氏に追従するばかりで経営を主導していない」(同)という。さらに深刻なのは、右往左往する内田氏につけ込んで、「西川氏や山内氏らが院政を敷こうと、内田氏を懐柔している」(日産OB)というのだ。
 西川氏や山内氏は社長や社長代行を解かれたものの、6月の定時株主総会までは取締役のままだ。「相談役や顧問などのポストを巡って、圧力を加えている」(同)。
 こうした動きに、社内に「身寄りのない」内田氏は盲従しているという。関氏の退社は表向き、日本電産創業者・永守重信会長の強引な勧誘に関氏が応えた、とされているが、「実はこうした内田氏の腰砕けの状態に愛想をつかした」(同)とされる。「12月1日付で社長に就任したのにもかかわらず、再建に向けた具体的な指示はない」(日産幹部)と現場も不満を募らせる。
 ゴーン元会長の退任とその後の内部抗争を経てようやく「ゴーンの負の遺産」を整理した日産だが、再び、迷走し始めている。


 朝日新聞社がワセクロと全面戦争?

 独立非営利のNGOメディアを標榜する「ワセダクロニクル(ワセクロ)」が朝日新聞社と全面戦争の様相を呈している。ワセクロは、朝日新聞の福島第一原発事故の吉田調書報道を検証する「葬られた原発報道」という記事を連載している。これに対して朝日新聞社の後田竜衛広報部長が記事の削除を申し入れたところ、ワセクロ側は削除を拒否しつつ渡辺雅隆社長へのインタビュー要求記事を載せて騒ぎに発展した。朝日が社長インタビューに応じないまま、今度はワセクロが朝日の対応をなじるシンポジウムを開催するに至り、騒動はエスカレートする一方となった。
 どうやら、朝日の現経営陣に不都合となりかねない言論をまず封じようとした後田氏の打った一手が、逆に朝日経営陣にブーメランのように返り、「天に唾する」行為になったと言えなくもない。
 ワセクロは朝日新聞特別報道部出身の渡辺周氏が編集長を務め、同じく特別報道部出身で吉田調書の執筆者である木村英昭氏もスタッフにいる。そのため、ワセクロ側には「『吉田調書』報道は正しかった」と正当化を図りたい心情がそもそも存在しているとみられる。
 そこで彼らは、朝日バッシングが激しくなった際に朝日側が反論するために掲載を予定していた吉田調書批判への「幻の反論紙面」を紹介しつつ、こうした反論記事が当時の朝日経営陣のヘッピリ腰の姿勢ゆえ、掲載されないままに終わったものだとしてこれを暴露した。
 この当時の経営陣には、現朝日新聞社社長の渡辺雅隆氏(大阪社会部出身)をはじめ、危機管理担当としてこの問題を所管していた福地献一取締役(東京社会部出身)らがいる。これ以上この問題が広がれば、彼らの責任問題に及びかねないとも見られるため、同じ社会部閥で、渡辺氏や福地氏の覚えめでたい後田氏が、ワセクロ側に強硬な「削除要求」を申し入れたという見方もある。
 しかし、この対応は朝日の関係記者にも首をかしげる意見がある。「普通は、まず訂正の申し入れです。いきなり削除要求は、言論の自由を前提とするジャーナリズムの会社にはありえない。気に入らない言論は抹殺しようということでしょうか?」。
 上層部におもねた後田氏のヘマか、渡辺氏の器量の小ささか。T身内Uの争いか、ジャーナリズム論か。思いのほか大きくなった騒動は、朝日経営陣にどう響く?


 経営陣に屈したトヨタ労組は弱腰?

 産業界で賃金交渉の先導役となってきたトヨタ自動車労働組合が、このほど経営側に「ベースアップ(ベア)5段階」要求を打ち出した。基本給を底上げするベアに用いてきた賃上げの原資を個人の評価に応じて五段階に分けて配分する。
 背景にあるのは、自動運転やカーシェアリングなど業界の「100年に1度の転換期」に伴う豊田章男社長ら経営陣の焦りとも言える。今や米グーグルや中国の百度(バイドゥ)といったプラットフォーマーやライドシェア大手のウーバーなどとの異業種格闘戦に突入している。
 こうした状況に昨年の労使交渉では豊田社長が「危機感が足りない。これほど労使間で溝を感じたことはない」と受けとめた。一時金も年間の総額を決めていた交渉も改め、冬の分は改めて協議するなど、交渉は難航した。
 注目された今年の労使交渉だが、経営側の主張に労組が交渉初期から実質、屈服した格好になった。「ベアの根本は組合員への賃金のT一律U引き上げだ。それに差をつけるというのは語義矛盾だ」と、組合員は労組執行部の弱腰を批判する。「一律徴収する組合費はどうするのか」との声も上がる。
 リーマン・ショック直後に社長に就任した豊田社長は、当時、「トヨタにヒーローはいらない」「社員や地域社会とともに歩む公益資本主義を目指す」として赤字に沈んだ業績の回復を目指して、社員の協力を求めた。しかし、最近のプラットフォーマーの出現で出遅れていたデジタル事業の強化を目指し、ITや人工知能(AI)など高度デジタル人材の獲得に大枚をはたいてGAFAなどから人材をヘッドハンティングしている。「横並びの賃金制度は今や時代遅れ」(トヨタ幹部)として今後、能力主義をさらに加速していく考えだ。
 協調・チームワークを重視してきた豊田社長の変化に抵抗しない「御用組合としてのトヨタ労組の面目躍如」と冷ややかに見る組合員も少なくない。今後、トヨタ内部の「分断」が随所で広がりそうだ。


 豊洲の町内会で内紛勃発、新住民との溝は埋まるか

 人口が4万人に迫る東京・江東区の豊洲で、町会(町内会)の会長選を巡る内紛が起きた。昨年、大規模マンション出身の新住民代表が僅差で当選。新住民が多い近隣マンションの関係者が団結し、「古い町会と新住民のコミュニケーションが取れていない」と訴えたのだ。想定外の政権交代のしこり故か、旧役員は全員辞任した。
 役員の1人は、「選挙結果を認めないとの動議が出され、新会長の就任が否決されましたが、その後の議論で選挙結果通り承認されたことに2度目の驚きを感じました」と振り返り、「旧役員の方々が総退陣するというので、役員になってくれないかと言われ、突然のことに、困っていた新会長を助けることにしました」と語る女性役員もいるなど、混沌。
 東京五輪開催の決定後、あっという間に高層オフィスビルが建ち並んだ豊洲は、昼間人口が1万人近く増える一大オフィス街にも変貌中。その町会は、住民の加入義務のない任意団体でありながら、年間の収入の規模が1500万円(1戸当たり年6000円)と、全国有数の規模と財政力を誇る。
 しかし、会長選の余波からか、2020年度予算では一部マンションの退会で激減、870万円を割り込みそうだ。町会の継続性について心配する声も上がっており、新執行部は新年会を開き、分裂気味の新旧住民の双方の支持を取り付けようと懸命だ。新役員は、マンション連絡会を一から立ち上げてマンションの、民泊利用の問題や大規模マンションの課題を話し合ってきたという。
 江東区役所は、豊洲の開発案件に対する地元の理解はこの町会を通じて取り付ける。それゆえ、最新の開発状況がまず町会の幹部に持ち込まれる。開発ラッシュの豊洲では、地元住民が開発情報を知らぬまま、いつのまにか「地元には説明済み」となっていることが多く、新住民の政権奪取には、その情報欲しさという側面もあるようだ
 町会の新役員を紹介する各個配布の文書の中には、「町会改革」への強い決意表明が相次いだ。「マンション住民と、地元の町会とのコミュニケーションがうまく取れていないと感じた。町会の会費は支払っているのに、これはとても不幸」というある新役員の認識はほぼそのまま掲載され、他の役員も「変えるべき所は時代に即して変えたい」、「町会運営ルールを明確にして透明度の高い運営を決意した」と述べている。
 旧住民系の家などには、昨年末にカジノ事件で東京地検特捜部に逮捕された地元選出の代議士のポスターがまだ張られていることもある。江東区がそのカジノ誘致の候補地でもあるせいか、旧住民には「守旧派」の印象があるが、今回の新任役員は、総じて「豊洲っ子」。地元に長く住んできたことを強調しながらも「長年のサラリーマン時代に培った経験や知見、技能を駆使したい」、「仕事柄、国内外を転居した関係で、豊洲の気になるところはわかっている」などやる気満々。さてこの先は?


 労働環境の改善要求でタイ日本企業が矢面に

 タイで労働環境の改善を求める声が強まっている。米通商代表部(USTR)が昨年10月、タイ政府に対し、国際的に認められた労働者の権利が保護されていないとして、開発途上国の経済発展を目的に関税を軽減する一般特恵関税制度(GSP)を一部停止すると通告したのがきっかけ。中でも、タイに大量に進出している日本企業が批判の矢面に立たされている。
 タイの国営企業労働連盟(SERC)など労働団体は1月、GSPが停止されれば経済に深刻な影響が出かねないとして、政府や企業に労働環境の改善に着手するよう訴える声明を出した。労働者の権利が守られていない具体例として挙げられたのが日本企業だ。
 SERCは、三菱電機が世界市場に向けた家庭用・業務用空調機器の製造拠点と位置付けるタイの関連会社、三菱電機コンシューマー・プロダクツで、従業員が軍隊式の研修への参加や労組活動に加わらないという誓約書への署名を強要されたと指摘。同社の労組は事実上、解体されたと名指しで非難した。同社の手法は多くの企業が「組合対策の見本」として追随しているという。
 SERCは大紀アルミニウム工業所がダイカストの生産拠点としてタイに設立したセイシン・タイランドに関しても、工場の操業が停止されたにもかかわらず、従業員に対する補償はなく、昨年9月から給料が75%に抑えられていると批判。組合の結成総会翌日に、組合員30人以上を一時解雇した日本企業の事例も報告した。
 開発途上国の労働運動を支援する日本のNPO、国際労働財団(JILAF)のメンバーでもあるSERCのサウィット委員長は、日本企業をめぐる労働トラブルが増えている原因について、幹部が企業の立ち上げに関わった世代から代替わりし、地元との共存より利益を重視するようになったことを挙げる。サウィット委員長は「今後も日本企業で従業員が一時解雇されたり、契約を短期に切り換えられたりすることが増えるだろう」と懸念を示している。


 領事館開設し1000人訪問団、日本がダナンに寄せる期待

 日本政府は一月初旬、ベトナム中部の中心都市ダナンに領事事務所を開設した。ダナンや周辺のフエ、ホイアンといった観光地を訪れる日本人が増えている実情を踏まえ、邦人向けの領事業務を拡充する。
 1月中旬には現地で、ベトナムのグエン・スアン・フック首相も出席して記念祝典やビジネス・観光セミナーなどが開かれ、経済協力をはじめ官民合わせて12件の覚書が交わされた。日本からは、日越友好議員連盟会長を務める自民党の二階俊博幹事長が企業幹部や自治体関係者ら約1000人を率いて参加。日越双方で「大型ミッションを組織して、中国と同様にベトナムにも自分が実力者であるとアピールした」(政界筋)とも囁かれている。
 ベトナムは、南北にホーチミン、ハノイという大都市を抱える。それに引き換え中部は発展が遅れているが、中部出身のフック首相が就任した2016年以降、中部振興の優先度が高まった。ダナン国際空港は拡張され、海辺にはホテルやリゾートの建設計画が目白押しだ。
 中国や韓国とダナンを結ぶ航空便が年を追って増加し、両国は相次いで領事館の設置準備に着手。ビジネス分野の関係強化も加速し、韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は昨年1月、ベトナム3カ所目の拠点であるダナン事務所を開いた。
 こうした情勢を受け、「ベトナムは有数の親日国で、中国の海洋進出に対抗するための大切な連携相手」(日本政府関係者)と位置付ける日本も、手をこまぬいているわけにはいかなくなった。今年度予算に関連経費を計上し、領事事務所の準備を急ピッチで進めてきた。
 日本とダナンの交流・協力は当面、観光関連や日本への労働者派遣など人材分野が軸と予想されるが、中期的には東南アジア全体を視野に入れたものに広がりそうだ。というのもダナンは、ラオスやタイを経てミャンマーに至る道路「東西経済回廊」の起点であるためだ。地域の交通・物流網の物資搬出入を担う港を抱えるダナンと、より緊密な関係を築く意味は大きい。


 中国が取り組む海上核戦力拡充

 このところ対外的に軍事力誇示を控えている中国だが、軍事拡張には全力で取り組んでいる。その最たるものが「潜水艦発射核ミサイル」の建造である。すでに中国の核搭載潜水艦の能力は、米国ロサンゼルス級原潜に相当するとされる。
 昨年6月に渤海湾で行われた実験で「巨浪3」型核ミサイルは、射程1万2000キロメートルに達したという。今、中国海軍はこれを六〜八発搭載できる潜水艦を五隻保有している。
 この「巨浪3」の大量配備がさらに進んでいるという。これにより、将来の太平洋地域の軍事バランスは大きく変わることになる。
 さらに注目したいのは、その射程1万2000キロメートの能力を利用してインド洋や南太平洋海域に進出できることで周辺地域の国防上大きな脅威になることだ。すでにオホーツク海やバレンツ海へも展開していてロシアの脅威にもなりつつある。水中音も極めて低く、深度600キロメートルまで潜れることもあり、今後は要注目だ。


 外交・安保政策の混乱がトランプ氏再選を阻む?

 トランプ大統領から解任されたマティス元国防長官は外交・安保政策上におけるトランプ大統領の判断の危うさについてたびたび警鐘をならしていた。すなわち、「この分野での経験がないため、基本的な戦略を持たず、交渉事を取引と考え、その判断は極めて情緒的である」と。
 今その危惧がイランの実質ナンバー2であった革命防衛隊の司令官殺害の判断に示された格好だ。今後の中東地域の混乱と、米国への悪影響の深刻さを考えずに、短慮に走った結果だからだ。
 今後の対中東政策は慎重にならざるを得ない中、政権中枢のポンぺオ国務長官がカンサス州選出の上院議員選挙に出馬するため、政権を離れることが確実視されている。
 その逸材ぶりで将来の大統領候補とみられているポンぺオ氏の存在は、トランプ外交に一定の安心感をもたらしていたが、彼の辞任は再びトランプ外交を不安定化させる可能性がある。後任はビーガン国務副長官が代行職を引き受けるとみられているが、彼はロシアと朝鮮半島の専門家であり、中東地域での複雑な外交は難しいとみられている。
 2月から始まる大統領予備選を前に米国内のメディアは民主党候補が誰になるかというよりも、トランプの再選が果たして米国の国益にかなうものかという特集を組んでいる。その背景には共和党系の優秀な人材が政権内で要職に就いても、その多くがトランプ大統領と衝突し政権を離れてしまった結果、仮に再選され2期目の政権をつくったとしても、もはや政策を着実に遂行できる人材がいないという問題があるからだ。
 2期目のトランプ氏が暴君タイプになるのは確実で、有権者もこの点に留意して投票を行うのが先決だとメディアは有権者に訴えている。


 北朝鮮の体制に異変か? 金正恩氏追放の可能性も

 北朝鮮の体制内部で異変が続いている。まず金正恩の健康問題だ。昨年11月から何らかの健康問題が起きているといわれており、数名いるといわれる影武者が時々御用メディアに登場したと疑惑を呼んでいる。
 そしてこれと時期を合わせるように、叔父の金平一駐チェコ大使が帰国した。金日成元主席によく似ていて帝王教育を受け、合理主義者といわれる彼が、政権を引き継ぐ可能性があるとされる。
 年末に朝鮮労働党中央委員総会が四日間にわたり開かれたが、結局米朝協議再開のきっかけをつかめなかった。11月のストックホルムでの実務者協議の後、北朝鮮は自ら交渉の再開期限を昨年末として挑発を続けたが、米国からは何の反応もなく、実は米国とのパイプが実質的に途切れているのではないかとも推測されている。
 その一方で国内の食料事情と電力事情は極めてひっ迫している。首都平壌でも電力不足が続き、一般国民に加え、軍上層部でもこの指導者では国が成り立たないのではないかとの懸念が強まり、内部が割れ始めていると観測されている。
 切迫した食料不足を見かねて、中国は新年から大規模な食料支援を鉄道輸送で始めたが、中国からの支援物資の配分で金ファミリーが取り分を多くし、軍に回さなかった場合は軍の不満が高じ、金平一を担ぎ金正恩を追放する可能性もあることがワシントンの北朝鮮ウオッチャーの間で囁かれている。












←1月号へ                 Top                  3月号へ→

ダミー
ダミー
ダミー

(C)2020 株式会社エルネオス出版社. All rights reserved.
〒105-0003 東京都港区西新橋1-22-7 丸万7号館4F 
TEL.03-3507-0323 FAX.03-3507-0393 eMAIL: info@elneos.co.jp