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多様性こそ強みと強調


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■ソニーの成長戦略


ソニーが半導体事業に積極投資
米投資ファンドなどの批判一蹴

■好業績を追い風に「SONY」ブランド復活なるか――

 ソニーは、長崎県諫早市に約1000億円を投じてスマートフォン向けなどに搭載されるCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーを生産する新工場を建設するのをはじめ、2021年3月期までの3年間に半導体事業に7000億円を投資する。
 米中貿易戦争の激化で世界貿易が停滞し、日立製作所やパナソニックなどの日本の同業や製造業全般の業績が腰折れするなか、収益改善が顕著なソニーが独り気を吐く積極策といえる。それは同時に、米投資ファンドや市場から突き付けられる事業の多角化批判に対する、収益構造改善の追い風に乗る今のソニーの答えであることはいうまでもない。
 ソニーが10月30日に発表した2019年4〜9月期連結決算は、営業利益が前年同期を17%上回る5098億円となり、4〜9月期としては3期連続で過去最高を更新。好業績の主役は半導体事業であり、今後もスマホに2、3個のカメラを搭載する「複眼化」の流れが加速することなどからCMOSセンサー需要の大きな拡大が見込まれ、20年3月期通期の営業利益見通しも8400億円に据え、従来予想から300億円増額修正した。
 今回打ち出した新工場建設は、第5世代移動体通信規格(5G)への移行を踏まえたスマホ向け需要拡大に加えて、CMOSセンサーはすべてのモノがインターネットにつながるIoT時代やクルマの自動運転化の流れを見据えた投資だ。
 諫早市にある既存の工場の隣接地に21年度の稼働を目指し、「電子の目」の役割を果たす重要な基幹部品であるCMOSセンサーの生産体制を拡大し、世界シェア五割を握る首位の座をより盤石にする。テレビ事業の縮小やパソコンやリチウムイオン電池の事業切り離しを迫られ、「SONY」ブランドが地に墜ちたソニーの過去の姿から一転し、復活の狼煙を上げたかに映る。

吉田社長が貫く
「事業の多様性」


 今やソニーの成長戦略の柱にも成長した半導体事業をめぐっては、米投資ファンドのサード・ポイントは事業が多岐にわたる複合企業(コングロマリット)の経営は効率低下を招くとする「コングロマリット・ディスカウント」論を展開し、これまでにソニーの半導体事業の分離・上場を執拗に要求してきた。
 これに対してソニーは10月17日、サード・ポイントの要求を正式に拒否したうえで、同月30日に表明した長崎県での新工場を含む半導体事業への大型投資は、サード・ポイントの圧力には屈しないという真逆の回答だった。
 ソニーの経営をめぐるサード・ポイントとの確執は半導体事業が初めてではない。これまでも映画や音楽といったエンターテインメント事業の分離を求めた経緯があり、いわば、ソニーにとってサード・ポイントの存在は、“天敵”にほかならなかった。
 サード・ポイントだけでなく、市場の一部から発せられてきたコングロマリット・ディスカウントの批判に対しては、ソニーの吉田憲一郎社長(写真)は「技術は多様な事業を貫き、力を与える」と事業の多様性がソニーの強みと力を込め、こうした批判を一蹴する。
 ソニーの半導体事業は確かに「世界一強」の地歩を築いてきたCMOSセンサーを武器に、5G時代の到来やIoT時代を見据えた成長分野として拡大余地は大きい。ゲーム、音楽、金融の各事業が安定した収益を上げ、半導体事業の成長がさらに収益を押し上げる構造は当分続く可能性が高い。
 しかし、新たな成長領域を明確に打ち出せない現状で、事業の多様性をどれだけ引き出せるかは依然不透明だ。国内の同業他社が業績低迷に墜ちるのを尻目に収益上向きが鮮明なソニーに対し、海外投資ファンドをはじめ市場の一部が厳しい視線を送るのもその点にある。その意味で、「SONY」ブランドがかつてのような輝きを取り戻せるかは、吉田体制下で持続的な成長戦略を描けるかにかかってくる。
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