ダミー
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 菅官房長官がポスト安倍に本格始動する根拠

 新元号「令和」の発表で一躍「ポスト安倍」の候補に急浮上した菅義偉官房長官(70)。本人が繰り返し首相への意欲を否定するのとは裏腹に、政界では「天下取りに動く」との見方は根強い。菅官房長官が「政治の師」と仰ぐ梶山静六元官房長官が自民党総裁選に敗北覚悟で出馬した時と、状況が似つつあることも根拠の1つだ。
 1998年の総裁選は、参院選で敗北した橋本龍太郎首相(当時)の退陣表明を受けて実施された。竹下登元首相、野中広務元官房長官、村岡兼造元官房長官ら小渕派の面々は参院選の投票中に、「自民党の敗北は必至」とみて竹下邸に参集し、「橋本退陣、小渕恵三後継」を決定した。この場には、同派幹部ながら、官房長官を退いて無役だった梶山氏は呼ばれなかった。
 このことに梶山氏は猛反発。同派を離脱して敗北覚悟で出馬したが、決断した最大の理由は、「派閥政治打破」を訴えて決起を促す若手の熱意に負けたからだった。当時の梶山氏は72歳。そして、その時に決起を迫った若手の1人が、当時、1年生議員だった菅氏にほかならない。
 あれから20年。この間、菅氏は第1次安倍政権で総務相に就任(梶山氏も自治相=現総務相経験者)。民主党政権を挟んで、2012年の総裁選では、安倍晋三首相勝利の原動力となり、第2次安倍政権以降は、一貫して官房長官を務めて政権を支えている。官房長官の在職日数は歴代最長を更新中で、梶山氏が届かなかった総裁の座をつかめば、「師匠」を完全に超えることになる。
 安倍首相の総裁任期は21年9月までで、その時菅氏は72歳。梶山氏の出馬時と同じ年齢だ。党内には、無派閥議員を中心に菅氏シンパが30人程度いるとされる。「ポスト安倍」を選ぶ総裁選では、若手から出馬を促されることが想定され、菅氏は師匠の梶山氏と同じ立場に立たされよう。そこで出馬を見送れば、若手時代の自身の政治行動との整合性を問われることになる。
 そもそも、秋田県出身の菅氏は高校卒業後に集団就職で上京。議員秘書、横浜市議を経て、衆院議員になった苦労人だ。ポスト安倍に名前の挙がる岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、河野太郎外相らは全員、2世、3世議員で、迫力不足は否めない。「全く考えていない」。こう言う菅氏だが、天下取りへの戦略を練っていないはずがない?


 話すことが豊富だった? 麻生副総理の安倍追っかけ

 改元でバタバタしている4月30日夜、麻生太郎副総理兼財務相は東京・富ヶ谷の安倍晋三首相私邸を訪れ、2時間余2人きりで密談した。大型連休が明けた5月10日の閣議後記者会見で、会談内容を問われた麻生財務相は「そういうことを話すことはこれまでもなかったし、これからもない。やっぱり、いろんなことが考えられるでしょうね」と意味ありげにけむに巻いた。
 麻生派の重鎮、甘利明自民党選対委員長は「立ち会っているわけでないのでわからないが、巷間伝わってくるのは麻生さんが衆参同日選を勧めたと。しかし総理は慎重に言葉を選んで言質を与えなかった」と言っている。
 ダブル選挙推進論の麻生氏が強く進言したのはほぼ予測がつく。2時間もサシで話し合っているのだから、このほかにも日本経済・景気の先行き、それにかかわる消費増税実施の可否、選挙後に断行する内閣改造・党役員人事もおそらく胸襟を開いて語り合ったはずだ。
 とりわけ自民党幹事長と官房長官の人事は、今秋から来年の東京オリンピック・パラリンピックまで安倍首相が求心力を維持するため重要になる。永田町ウオッチャーによると、麻生氏は幹事長には甘利氏を推しているのだという。
 実はこの間、麻生氏は首相と2人きりになる時間をずっと狙っていた。今の時期が政局を含めていろいろな問題について、ひざ詰め談判する「仕込み」のタイミングと睨んでいた。この時期を逃がしてはサシで話し合う機会は選挙までに訪れないと思っていたフシがある。
 安倍首相が訪米(麻生氏も現地で合流)した4月末、首相がトランプ米大統領とゴルフを終えた後、カナダの首都オタワを訪れるのに同行したい、と自ら申し出ていた。公的な用事もないのに、カナダまで首相の「追っかけ」をするのは、誰にも邪魔されず、2人きりで語り合える場を何としても確保したかったからだ。麻生氏の申し出を受け、外務省はそのロジスティクスに急きょ走り回らざるを得なかった。
 結局、どういう事情があったか定かでないが、カナダへの追っかけはご破算になった。その代償として、安倍首相が気を遣い、私邸での密談が実現したわけである。この会談が単なる気遣いだけで行われたものであるはずがないのは、政治家ならだれでも想像がつく。


 墜落F35Aの捜索で米軍が突然撤収した理由

 青森県沖に墜落した航空自衛隊のF35A戦闘機は、乗員も機体も発見できないままとなっている。駆逐艦や爆撃機まで動員して、捜索に全面協力していた米軍は1カ月を過ぎたころに突然、撤収。米軍の急変ぶりに防衛省で驚きが広がっている。
 事故機は4月9日、青森県三沢基地を離陸して4機編隊で訓練していたが、「訓練中止」を宣言した後、青森県沖に墜落した。自衛隊が護衛艦、哨戒機などを動員して操縦士と機体の捜索を開始すると、米軍は横須賀基地の駆逐艦、三沢基地配備の哨戒機を派遣して捜索を始めた。自衛隊機の捜索に米軍が協力するのは極めて異例だ。
 驚かされるのは、在韓米軍からU2偵察機、グアムからB52爆撃機まで動員したこと。F35Aはレーダーに映りにくい最新鋭の戦闘機で、米国の技術を結集した秘密の固まりでもある。
 ステルス機の開発を進めるロシア、中国が事故機を発見し、もし機体を引き揚げれば、秘密が漏れるばかりでなく、F35Aの弱点も相手に伝わることになる。米軍による異例の捜索態勢はロシア、中国に対する牽制もあったとみられている。
 5月7日、岩屋毅防衛相は、機体の動きを記録するフライトデータレコーダーの一部を回収したと発表。海洋研究開発機構の海底広域研究船「かいめい」が発見し、米軍がチャーターした特殊深海活動支援船「ファン・ゴッホ」が引き揚げた。しかし肝心の記録媒体はなくなっていた。
 この引き揚げをきっかけに米軍は全面的に撤収し、現在、捜索を続けているのは日本側のみとなっている。
 防衛省幹部は「フライトデータレコーダーは事故原因を探る重要な記録が入っている。頑丈につくられているが、これが壊れていたというのは大きな衝撃があった証拠。機体がバラバラになったのは確実だろう」と解説する。
 米軍は原型をとどめないほどバラバラになったF35Aであれば、ロシア、中国が発見して回収するのは不可能と判断したようなのだ。前出の幹部は「割り切りがいいといえば、それまでだが、乗員は見つかっていない。もう少し、捜索を続けてほしかった」と米軍のドライな対応に戸惑うばかりだ。


 改正刑事訴訟法の施行で国民は丸裸にされる

 「司法取引」の導入で話題になった改正刑事訴訟法が、6月1日、暗号技術を導入した専用パソコンの警察への設置によって、完全施行される。
 装置は、通信事業者と都道府県警の本部を回線で結び、傍受した通信を暗号化したデータで送信し、それを復元して録音するもの。対象犯罪も薬物、銃器などに限定されたものから、殺人、窃盗、詐欺など犯罪類型のほとんどを網羅、すべての捜査で盗聴が可能になった。
 改正刑事訴訟法は、大阪地検特捜部が証拠を改竄するというとんでもない事件の反省から作業が本格化した。自白の強要を招かないようにするため可視化(取り調べ過程の録音録画)が推進されるようになり、その反対給付として司法取引と盗聴が与えられた。
 司法取引の凄みは日産元会長のカルロス・ゴーン事件で立証済みだ。世界にその名を知られた名経営者が、かつての側近による密告と日産の全面協力により、公開制度逃れの過少申告と、特別背任に繋がる私物化の実態が明らかになり、罪を問われた。
 司法取引は、今後の刑事司法の在り方を変えるという意味で、画期的な制度の導入である。ただ、一般国民への影響という意味では、改正通信傍受法の方が、インパクトがある。一言で言えば、国民は丸裸にされることになる。
 インターネットの普及により、人は携帯電話を手放せなくなり、いつでも誰かとつながり、メールや地図、検索などあらゆるサービスを受けることができる。その代わりに通信会社やグーグル、ヤフーなどプラットフォーマーと呼ばれるサービス業者に個人情報を提供している。彼らはそれを、ターゲティング広告に生かして収益を得る。
 犯罪類型を広げたことにより、捜査当局は裁判所による令状か、自分たちが発行する捜査関係事項照会書によって、登録情報、通話先、メール内容の開示を求めることができる。プラットフォーマーによって開示条件は違うが、捜査権力が法をもとに要求してくれば拒むのは難しい。
 その上、会話の盗聴である。これまでも認められてはいたが、通信会社まで出向き、会社側の立ち会いを受け、リアルタイムで傍受しなければならなかった。だが警察に設置される専用パソコンはその面倒を排し、使いたい時に必要なだけ録音することが可能となる。被疑者及びその関係者と見なされれば、会話内容は捜査当局に筒抜けだ。
 国家が「要注意人物」と判断を下せば、個人情報はもちろん、メールや会話などの履歴がすべて掌握される。いよいよ、そんな時代をわれわれは生きることになる。


 デジタルとアナログの“両刀遣い”が必須?

 今や世の中はデジタル化が急速に進み、産業のモノづくりの現場ではモノとインターネットをつなぐIoTが当たり前になった。そればかりではない。日常生活の現場でも固定電話に代わって携帯電話、スマートフォン(スマホ)が主流となるなど情報通信に革命的な変化が起きている。若者たちはインスタグラムなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でのコミュニケーションに積極的で、いわゆるデジタルネイティブという新世代まで登場、あおりで従来からある新聞やテレビに揺さぶりがかかってきた。
 そんな今、デジタル化への対応に苦しむ企業関係者がバイブル同様に読んでいるのがデイビッド・サックス著『アナログの逆襲「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる』(インターシフト社刊)だ。
 カナダ在住ジャーナリストの著者は、自身の現場生活体験を踏まえ、アナログの逆襲の現場を語っているが、それが読者の共感を得たようだ。その一例が古典的な音楽レコードへの回帰だ。著者によると、デジタル音楽の手軽さと便利さで、数多くの音楽CDをパソコンのiTunesに取り込んだあと、さらにiPhoneに転送、その数がケタ外れに多くなるとすべてのコレクションをコンピューターのクラウドに保存するようになった。ところが、著者は何かが物足りないと感じた矢先に、街角のレコード店から流れる音楽の音色のよさにはまり、かつてのレコード集めを復活した。これをアナログの逆襲と位置づけ、同様に紙やフィルム、書店の現場を取材したら同じ現象が見られた、というものだ。
 要は、デジタル化が進む経済社会の現実は避けようがないが、デジタルの先端にはアナログがあり、アナログの持つ何ともいえない古典的なものが科学技術を突き詰めるうちにとがった発想でしかモノを考えようとしなくなった現代に対するアンチテーゼではないか、という問題提起だ。
 デジタル化への対応に苦しみ、デジタルについて学ぶセミナーが人気の今、こうした問題提起書が静かなブームになっているところが興味深い。この点について、ある企業の現場責任者は「米国メジャーリーグに転出した野球の大谷翔平選手のピッチングとバッティングの両刀遣いと同じだ。早い話が、われわれも生産現場でアナログとデジタルの両方をうまく使いこなすことが求められているのでないか」と述べている。


 同友会が新代表幹事に損保社長を選んだ理由

 経済同友会は4月26日に開いた通常総会で、小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)の後任にSOMPOホールディングスの櫻田謙悟社長を選出した。戦後間もない1946年に設立し、70年を超える同友会の歴史で損害保険業界出身の代表幹事は初めて。同友会に経団連、日本商工会議所を加えた経済3団体のトップの座は、主に製造業出身者が占めてきただけに、異色の財界トップともいえる。
 櫻田新代表幹事は、これまでの財界にない新しい風を吹き込むかもしれないという期待と同時に、未知数な部分も併せ持つ。
 総会で櫻田氏は就任に当たり、日本が目指すべき姿を、国際社会で「“いてほしい国”“いなくては困る国”」と表現した。これが意図するところは、同友会が昨年12月に提言した「Japan 2.0」の実現にある。
 この提言は、過去の延長線上に未来はないとの危機感を持って、戦後百年に当たる2045年を念頭に「国家価値の最大化の追求」「社会の持続可能性の向上」の好循環が成り立つ社会の実現を目指しており、櫻田新代表幹事の総会での言葉は平成の30年の間に失った日本の存在感を取り戻す“決意表明”でもあった。
 小林前代表幹事は日頃から、危機感を認識せず過去の成功体験にあぐらをかいてきた日本の経済、企業を「茹でガエル」に例えてきた。それは大変革のうねりが世界的に広がる中で、ぬるま湯に浸ったままのカエルは湯の温度が上がるのに気づかずいずれ茹で上がり、死に至るとの警鐘だった。
 その小林氏は後任の櫻田氏に対し、茹でガエルを覚醒させる「ヘビになれ」と、今後の同友会の運営を託した。これを受けて、櫻田氏は同友会が設立以来標榜してきた「開かれた行動する政策集団」の進化に取り組む方向を示す。その覚悟は、提言をまとめ上げるシンクタンクにとどまらず、政策実現に向けて行動する「Do Think」を掲げた点に表れており、実際に行動し、実行する同友会への転換が櫻田新代表幹事にとっての大きな課題になる。
 一方で、経団連は昨年就任した中西宏明会長(日立製作所会長)が従来の保守的な路線を覆す変革路線を強めており、地盤沈下もささやかれ、長らく続いた低迷期を脱し、“財界総本山”としての存在感を高めつつある。それだけに行動する政策集団を掲げ、経済三団体にあって尖った存在だった同友会の存在意義も問われかねない。櫻田新代表幹事がどんなヘビになり、日本の経済社会を覚醒させるか、変わる同友会に向けて早速、その手腕が試される。


 メガバンク会長がトヨタ決算説明会で質問

 「日本を代表する超大企業とはいえ、メガバンクの会長、頭取が決算説明会に参加するというのは前代未聞じゃないかな」──。
 こうメガバンクの幹部が驚くのは、5月8日に東京都内で開かれたトヨタ自動車の19年3月期連結決算説明会に三井住友銀行の宮田孝一会長と三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取が参加したことだ。しかも、宮田会長は「中長期的な目線でトヨタ株を買う投資家に対する考え方を教えてほしい」と、豊田章男社長に質問する熱の入れようだった。
 宮田氏の質問に豊田社長は「ポートフォリオの中でトヨタ株は安定が求められる銘柄として組み込まれているのではないか」と指摘した上で、「経営環境が悪化しても着実に成長し続ける会社にしたい」と応じた。
 三井住友銀行と三菱UFJ銀行はトヨタとの取引を巡り、しのぎを削るライバル関係にある。「トヨタは設立して間もない頃に経営危機に瀕したことがあるのですが、その時、旧三井銀行が全面支援し危機を脱した。情に厚いトヨタはこの時の恩を終生忘れず、現在も三井住友銀行がメインバンクを務める。一方、三菱UFJ銀行も前身の東海銀行がトヨタの主力銀行であったことからいまも関係が深い」(メガバンク幹部)。
 三井住友銀行の宮田会長は旧三井銀行出身で、4月の人事でそれまでの持ち株会社会長を退き、銀行会長に専任したばかり。そこで旧三井銀行を代表してトヨタの決算説明会に参加しようと思ったのだろう。一方、三菱UFJ銀行の三毛頭取は4月の人事で持ち株会社の社長も兼務したことから、三菱UFJフィナンシャルグループを代表して参加したということだろう。


 ゴールドマンが銀行進出、国内金融各社は戦々恐々

 世界の投資銀行業務をリードするゴールドマンサックスが日本の金融庁に対して、銀行免許の申請手続きに入った。2020年にも法人顧客向けの資金管理業務を展開する計画だ。ゴールドマンのデービット・ソロモンCEOは、「日本の資産管理業は成長余力がある」と意気込む。
 ゴールドマンサックスの日本法人は、M&Aの助言や再建の引き受け、トレーディングなどを中心に業務展開しているが、近年は資産運用業を軸にした業務に力を入れており、銀行免許を取得し、本格的に資産管理業務に打って出る必要があると判断したようだ。ゴールドマンサックスはすでに米国では銀行持ち株会社に移行しているが、日本での銀行免許は取得していなかった。
 このゴールドマンによる日本の銀行業務進出に、銀行、証券系の資産管理会社や信託銀行は戦々恐々としている。すでに外資ではJPモルガン・チェースや米シティグループなどの大手商業銀行は厚い顧客基盤や海外支店網を活かして先行している。そこに強力なライバルとしてゴールドマンが入ってくるためだ。
 資産管理業務は、日本の個人金融資産が1800兆円を超え、さらに増大するにつれ、その資産運用が重要視されるのとセットで重要性が高まっている。とくに、運用がグローバル化する中、世界規模で資産を管理する「グローバルカストディー」の需要は高い。ゴールドマンは投資銀行業務で培った強力な顧客基盤と金融ノウハウ、海外拠点網を活かして、この分野で攻勢をかけてくるのは間違いない。


 ソフトバンクグループの含み益依存経営に厳しい目

 ソフトバンクグループ(SBG)はファンドの含み益が1兆円の大台を超え、グループの営業利益全体の約4割を占めるまでになり、子会社のソフトバンクが手掛ける通信事業などを上回った。実現が不透明な含み益に経営を一段と依存することになり、マーケットや格付け会社は厳しい視線を投げかけることになろう。
 問題の1つ目が負債の大きさと現金収入の少なさだ。本業で生み出す現金を示す営業キャッシュフロー(現金収支)は1兆1718億円と営業利益のおよそ半分にとどまる。一方、利払い費など財務費用は6337億円にも達する。
 もう1つがSBGの投資のポートフォリオが特定の企業に集中していることだ。同グループの投資先株式の時価は約27兆円あるが、そのうち4割をアリババ集団が占め、通信子会社のソフトバンクと英アーム・ホールディングスを含めた上位4社で8割を超える。このうち、携帯子会社は総務省の通信料金値下げの要請を受け収益力の頭打ちは避けられない。また傘下の米携帯通信4位スプリントと、同3位TモバイルUSの合併計画にも暗雲が漂う。2社は4月末としていた経営統合手続きの完了期限を7月29日に延期した。米当局が合併承認に難色を示しているからだ。
 SBGが筆頭株主のウーバー・テクノロジーズがこのほど上場したが、初日の終値は公開価格の8%安だった。「IPO(新規株式公開)が世界経済の減速懸念から勢いが落ちる中、SBGの含み益依存経営はこれから厳しい局面を迎える」(大手証券アナリスト)との声も増えている。


 鼻息荒いソフトバンクグループ、大手商社も関係強化へ

 ソフトバンクグループ(SBG)がこのほど発表した2019年3月期連結決算は純利益が前期比36%増の1兆4111億円だった。ファンド事業の含み益を初めて1兆円の大台に乗せた。さらに決算発表の翌日にはライドシェア大手の米ウーバーテクノロジーズが上場、6000億円を超える含み益を手にした。
 孫正義会長兼社長はサウジアラビアなどと組んだ10兆円規模の投資ファンド「ビジョン・ファンド」の第2号ファンドを立ち上げると表明、世界経済の先行きが不透明の中、依然として鼻息が荒い。
 ビジョン・ファンドは立ち上げから約2年間で82社の世界中のユニコーン企業に出資し、そこから新たなビジネスを生み出している。「SBGの動向に最も注意しないといけないのは商社だ」(外資系コンサルタント)という。
 商社業界は鉄鉱石や液化天然ガス(LNG)などの天然資源や、小麦や大豆など穀物のトレーディングがこれまでの主な収益源だったが、市況に収益が左右されやすいため、「非資源系の投資を積極化している」(同)。そんな商社にとって、既存の出資先企業の事業価値向上につながる提携を仲介する役割がこれまで以上に重要になってくるが、その行く手を阻むのがSBGだ。
 ビジョン・ファンドは人工知能(AI)のユニコーンなどを中心に投資を重ねるが、モビリティーや医療、創薬、物販、都市のインフラ、工場運営、シェアオフィスなど、AIが組み込まれていない分野はない。トヨタ自動車もSBGと提携したが、SBGが主導するモビリティーサービス会社の「モネ・テクノロジーズ」は配車サービスやライドシェアのほか、移動診療所、買い物難民のための物販サービスなども手掛ける計画を打ち出している。
 三菱商事は三菱自動車やいすゞ自動車などに出資するが、その収益の主体は車の販売金融だ。傘下にローソンやライフコーポレーションなどのスーパーなどを抱えている三菱商事にとって、いすゞなど車メーカーとネットを介してローソンなどの物販を宅配する事業に乗り出すことは十分可能だ。
 伊藤忠商事もデジタル技術を介して縦割りの組織を横串して新規事業を生み出そうと新たな部署を設けており、三井物産は飯島彰己会長がSBGの社外取締役となるなど、SBGとの関係を強めている。日本の商社業界は投資分野でSBGの勢いを超える存在価値を見いだせるのか、その力量が問われている。


 存在が希薄化する市銀連、厳しい銀行の現在を象徴

 3メガバンクとりそな銀行の組合員で組織する市中銀行従業員組合連合会(市銀連)の存在意義が希薄化している。4単組・9万4100人もの組合員を抱える巨大組合だが、最大の共闘事項である定例給与改善(ベア)で足並みが揃わなくなりつつあるためだ。
 発端は今年度のベアを巡り、最大手の三菱UFJ銀行の経営側が3月下旬に、組合の要求額の2倍に相当する「定例給与の1%」の引き上げを回答したことに始まる。同行単組が求めていたベア要求額は0.5%だった。この引き上げ幅は市銀連が3月22日の中央委員会で決議した共闘水準で、3月28日に4単組が一斉に経営陣側に提出していた。
 三菱UFJ銀行の従業員にとっては予想しない嬉しい回答となったが、市銀連としては悩ましい異例の対応となりかねない。というのも三井住友銀行とみずほ銀行が今年度のベースアップを見送ったため、市銀連による共闘のあり方が問われかねないことになったのだ。
 銀行の従業員組合は、旧都銀、信託、地銀・第2地銀など業態別に組織された組合があり、市銀連は旧都銀の従業員で構成されている。大手行の再編が相次ぎメガバンクとなったため、市銀連も四単組に集約されたが、「組合の委員長は、将来の経営幹部の登竜門であることに変わりはない」(メガバンク幹部)という。
 三菱UFJ銀行の異例の高回答は、低金利で収益環境は悪化しているものの、IT業界などの異業種の参入で競争が激化する中、生産性の向上などに取り組む社員の意欲を高める必要があると判断したもの。一方、同行は2020年春の新卒採用数を前年比で45%減らす方針も打ち出している。
 銀行を取り巻く環境は厳しさを増している。3メガバンクの19年3月期決算は、いずれも前期比で最終減益となった。市場部門や傘下の証券会社の業績が振るわなかったのが主因だ。このため各行とも管理業務などの間接部門から営業の一線に人材をシフトさせ、収益の底上げに注力している。その一方で、働き方改革から長時間労働は難しく、一層業務効率を上げることが必須。銀行の象徴ともいわれた「ノルマ」の廃止にも切り込んでいる。
 ITやロボットの活用で、銀行員の数は将来にわたり大幅に減少すると予想されている。それだけに給与水準は高く維持しなければ、優秀な人材の確保はできない。市銀連の共闘の難しさは苦しい銀行の現在を象徴しているようだ。


 ハウステンボスの澤田氏が社長を辞めた本当の理由

 長崎県の大型リゾート施設「ハウステンボス(HTB)」を再建、経営手腕を改めて見せつけた旅行代理店大手「エイチ・アイ・エス(HIS)」の澤田秀雄代表取締役社長が、5月21日に開かれたHTBの臨時株主総会で社長を退任、代表権のない会長に就いた。
 HTBは2〜3年後の上場を準備、現在、その作業に入っている。上場に当たって、澤田氏が2社の代表取締役を務めることをできないのが退任理由、と説明された。それは事実だが、その前に澤田氏には昨年来、くすぶっているスキャンダルがあり、「関係遮断が急がれていた」(証券関係者)という。
「『財務省に保管されているリクルート株に投資すれば、1割の利益が保証される』という詐欺話に引っ掛かって、50億円を投資したんです。『澤田秀雄ともあろうものが』という失敗談ですが、問題はその50億円をHTBから振り込んだこと。完全な利益相反行為で許されることではありません」(同)
 取引を実際に行ったのは、福岡県に本社を置き、香港にも拠点を持つ金取引商。まだ20代後半の若さながら香港に人脈を築き、着実に収益を上げてきた。安売りチケットの店を20代で創業、成功を収めた澤田氏は、この若き取引商を気に入り、一部、自分の資産運用を任せたほか、2年前にHTB内で流通する仮想通貨を企画した際、1トンの金塊購入を任せた。リクルート株は、その金取引商が持ち込んだもので、だから澤田氏は乗った。だが、リクルート株はいつまでたっても現物が出てこない詐欺話だった。
 澤田氏は表に出ず、金取引商が原告となって民事刑事で訴えているものの、回収も事件化も前途多難。澤田氏は無言を貫いているが、責任は免れなかったということか。


 窮地に立たされる野村に「ナベ賢」復権を望む声

 野村が窮地に立たされている。野村ホールディングスは19年3月期連結最終損益が1400億円の赤字に転落した。最終赤字は実に10年ぶり。
 だが、野村の窮地はこればかりではない。親密先で共同出資の投信会社「JP投信」を持つ日本郵政グループから距離を置かれつつあるのだ。その象徴がかんぽ生命保険株の追加売却の引き受け主幹事から外され、さらにライバルの大和証券グループ本社と日本郵政が急接近、投資信託の開発で業務提携を結んだことだ。
 この背景には、17年に日本郵政による野村不動産ホールディングス(HD)買収が最終局面で破談になったことが大きく影を落としている。豪トール買収で巨額な減損処理を余儀なくされた日本郵政にとって、野村不動産HD買収は危死回生の一策だっただけに、野村の拒否に関係者は怒り心頭だった。
 こうした野村凋落を象徴するように「ナベ賢」の愛称で知られる渡部賢一氏(現・野村資本市場研究所理事長)の復権が取り沙汰されている。渡部氏は12年の増資インサイダー事件の責任を取って辞任した。その後を受けて抜擢されたのが現在の永井浩二CEOだ。
「関西出身で、営業に長けた渡部氏の力が今こそ必要」(野村中堅幹部)というわけだ。その表れとみられているのが、4月に野村アセットマネジメントの社長についた中川順子氏の人事だ。国内最大手の資産運用会社の社長に女性が起用されるのは異例だが、それ以上に注目されたのが、「中川氏は渡部氏の愛弟子。結婚を機に1度退社した中川氏を野村に呼び戻したのは渡部氏といわれている」(同)。果たして野村は復活できるか。


 地銀の7割が最終減益、懸念される融資姿勢の変化

 上場する約80の地方銀行・第2地方銀行・グループの2019年3月期決算は全体の7割が最終減益だった。日銀のマイナス金利政策に伴う超低金利の影響に加え、不良債権の処理費用も拡大した。
 地銀・グループの19年3月期の連結純利益の合計は11%減の8604億円で、3期連続の減益となった。日銀のマイナス金利政策を受けて地銀の長期貸出金利は平均で1%を割り、一部の地銀は利ざやがマイナスに陥っている。融資先の業績が悪化すると破綻に備えて貸倒引当金を計上するが、この費用も約3倍に急増した。
 さらに業界でささやかれているのは、中小企業金融円滑化法(通称モラトリアム法)が切れたことに伴う地銀の融資姿勢の変化だ。同法は旧民主党政権下の09年12月に施行された。リーマン・ショックによる中小企業経営への打撃を緩和させるため、銀行に金利の減免や返済猶予、返済期間の延長などを促したもので、13年3月末に期限切れとなったが、その後も金融庁は「任意」で報告を求め、実際は生き残って適用されていた。同法は倒産防止に一定の役割を果たした半面、本来は淘汰されるべき「ゾンビ企業」を延命させたとの指摘もある。
 日銀はこのほど公表した金融システムリポートで、約6割の地銀が10年後の28年度に最終赤字になると試算した。地銀の経営悪化は多くの中小企業にとって死活問題となる。


 厚労省が可能性を認めた医療用大麻の解禁

 いよいよ日本でも医療用大麻が解禁されるかもしれない。連休前の参議院特別委員会で公明党議員の「アメリカで発売された医薬品『エビディオレックス』の治験は日本でできるのか」という質問に、厚生労働省の森和彦審議官が「大麻研究者である医師の下で、厚労省の許可を得て輸入されたエビディオレックスを治験対象とする患者に用いることは可能」と答弁したのである。
 エビディオレックスは英GWファーマシューティカルが創生した大麻由来成分の「カンナビジオール(CBD)」を精製した医薬品。難病に指定されている幼児・小児てんかんであるドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療薬で、同国内では未承認薬だが、劇的な効果が米CNNやABC、英BBC放送などのヘルスケア番組で放映されて話題に。
 同社はアメリカでエビディオレックスの承認を求めていたが、昨年6月に米食品医薬品局(FDA)が既存の治療薬の効果が十分でない難治性てんかんを対象にした適応を承認、11月から販売された。これを受けて日本でも難治性てんかんを適応として使えるかという質問だ。
 日本では大麻取締法で、神事に使うために許可を受けた栽培以外、大麻の栽培はもちろん、輸入も医療用研究さえも禁止されている。こうした従来の態度から国内導入は困難だろうとみられていたのだが、厚労省が国内での治験を認めたのである。
 大麻草は葉と花穂には精神作用のある物質が多く含まれているが、タネと茎には含まれず、欧米では抽出したカンナビジオールの医療用研究が行われている。英国ではベンチャーのGWファーマシューティカルがエビディオレックスを開発、医薬品として使われている。今回、アメリカでも承認・販売されたことで、日本でも使えるかどうか、さらに先進国で唯一、許可されない医療用研究の突破口に繋がるかどうか注目されていた。厚労省の答弁を受け、早速、聖マリアンナ医大が治験の申請準備を始めているという。
 かつて大麻の医療用研究推進派の中に嗜好利用を企む元女優が交じっていた事件が起こり、医療研究推進運動が頓挫したこともある。今回の国会答弁でようやく医療用大麻の研究、利用が始まりそうだ。


 クソ真面目社長が快走、高齢者向けの配食会社

 高齢者向け「配食」事業で急成長のシルバーライフ。設立は2007年、東証マザーズ上場は17年。ワタミ、食宅便(日清医療食品)、ウェルネスダイニング、コープデリなど大手の一角入りが視野に入ってきた。
「大学卒業後に警視庁に勤務。それから斯界に身を投じた」という清水貴久社長は「クソ真面目」を絵に描いたような御仁。取材時の対応姿勢や口調にも文字通り「クソ」の2文字がつく真摯な応対ぶり。冒頭、「警視庁に勤務したのも、配食業に身を転じたのも、人の役に立つ仕事をしたい一心から」と真顔で言った。そんな人物が率いる企業が、設立わずか10年で公開企業になりえた理由は何なのか。単に経営者がクソ真面目だけでは、ことはそう容易にはいかない。
 当初は製造委託先からの弁当を「自らバイクで配達する日々だった」。高齢者向け配食の草創期であり、「多店舗展開を実現し、スケールメリットを享受できなければ生き残れないし勝ち組にはなれない」という思いが「日増しに強まっていった」という。
 しかし「資金がない」。行きついたのが「FC制」の導入だった。FC数とシルバーライフの成長の足跡は一致する。手ごたえを感じ「まごころ弁当」に「配食のふれ愛」を加えた14年7月末のFC数は377社。上場直前の17年7月末で563社。今年1月末には671社に達している。
 FC制導入で業界での立ち位置を固め、上場企業の仲間入りを実現しえたのは「自社工場」の設立(13年7月)。配食事業でFC制をとるのは同社のみ。群馬県邑楽郡の工場では20余名の管理栄養士のもとで、協力工場分も含め1日8万〜10万件の宅配先に向けた弁当が作られている。当初約160だった配達先の施設は18年7月期末には4400カ所を超え、今期中間期時点では4850カ所となり、増加傾向が続いている。
 同社の弁当に対する評価は、冷凍弁当が宅配大手のヨシケイをはじめOEM(相手先ブランド)供給先が4社という点からも窺える。収益動向も順調そのものだ。上場後初決算の18年7月期は「24.8%増収、26.44%営業増益」で発進。今期も「17.9%増収、14.7%営業増益」計画で立ち上がり、早々に中間期予想を上方修正しているほどなのだ。
 取材の際、クソ真面目社長が唯一顔相を崩し、苦笑いを見せた場面があった。それは名刺に記されている「調理師」について、「資格をお持ちということは、ご自身も料理に自信がおありなのでしょうね」と聞いた際だった。「いや、調理師資格はペーパー試験で取れるのです。料理のほうはからっきしです」と苦笑いを浮かべたのである。


 邦銀がSDGsに本腰、特に気候変動関連に注力

 銀行員のスーツの胸に丸い鮮やかな色のバッチをよく見かける。聞くとSDGsのバッチだという。
 SDGsは、「持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals」の略で、2015年9月の国連サミットにおいて、2030年を期限とした17の目標を掲げて採択された。先進国を含むすべてのステークホールダーが取り組むべき目標と位置付けられ、特に民間の活動に大きな期待が寄せられており、金融分野はその中核となっている。
 SDGsには、「2030アジェンダ」として17の目標と169のターゲットが掲げられている。目標は、飢餓の終結、健康と福祉の促進、質の高い教育と生涯学習の機会促進、ジェンダー平等など多岐にわたるが、特に「気候変動及びその影響を軽減するための金融対策を講じる」というアジェンダは重いテーマとなる。その一例が4月に入り、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が、石炭火力発電所への融資残高を2030年度までに半減させる方針を固めたことだ。いうまでもなくこれはSDGsがアジェンダの達成時期として掲げた期限だ。
 三菱UFJFGは国内外で約1兆円の石炭火力関連の融資残高を持つ。当初、これを30年度までに3〜5割減らす方向で検討していたが、さらに踏み込んで「新設の石炭火力への融資は原則実行しない」との厳しい基準を新たに設け、思い切った削減を図るもので、早ければ今年7月から適用する考えだ。
 三菱UFJFGに続き、三井住友FGは、石炭火力の新規融資を発電効率の高い案件に限るとの基準を公表している。また、みずほFGも「経済合理性を踏まえて適切な選択肢であるかなどを検証し、判断する」と厳しい姿勢で臨む。


 憶測呼ぶ松本晃氏のノジマ社外取締役就任

 ライザップの取締役で、同社の再建を主導してきた松本晃氏が6月に特別顧問に退き、大手家電量販店のノジマの社外取締役に就くことを発表、この人事が憶測を呼んでいる。
 というのもノジマは、投資不動産向け融資で業務停止命令を受け、再建途上にあるスルガ銀行の株式を五%弱保有する大株主に浮上しているためだ。ノジマはスルガ銀行株の保有について、「純投資」と説明するが、市場ではスルガ銀行の救済に乗り出すのではないかとの観測が浮上。5月7日の決算発表では、スルガ銀行の支援協議について質問を受けたが、財務担当役員はコメントを避けた。そこに浮上した再建請負人の異名を持つ松本氏の社外取締役就任。市場は、やはりスルガ銀救済にノジマが一役買うのではないかと見る。
 そのスルガ銀行は5月15日、投資用不動産向け融資に関わる不正行為の調査結果を発表した。不正行為は投資用不動産向け融資の総額約1兆8000億円のうち1兆700億円と、全体の6割超を占めた。同時に新生銀行の支援を受け、失った信用の回復に努めると強調した。
 こうした一連の流れを踏まえると、今回の提携劇は、多額な不正融資額の公表と支援策をセットで発表するために当座の信用補完を急いだ結果、国が株主としてガバナンスをきかせ得る新生銀行が選ばれた当局主導によるとりあえずの着地と見るのが妥当。つまり今後、第2、第3の再編が想定され、そこにノジマがどう絡んでくるのかが注目されるわけだ。


 問題解決しない総務省、ふるさと納税で自治体苛め

 ふるさと納税の制度が、六月から様変わりする。制度変更の引き金は、「返礼品競争」のエスカレートを憂慮した総務省の二度にわたる「是正勧告」に対し、大阪府泉佐野市が無視したどころか公然と反旗を翻したため、メンツを潰された総務官僚が怒り心頭に発したことに始まる。
 もっとも、総務省は、そんなそぶりは見せずに、あれこれと理屈をつけて地方税法を改正。「返礼品は地場産品に限り、調達費は寄付額の三割まで」と規定し、地域の活性化を図ろうとする自治体のさまざまな創意と工夫を抑え込んでしまった。
 二〇一八年度に約五百億円を集めた泉佐野市こそ「見せしめ」のターゲットであり、適用除外となった静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の三町は、とばっちりを受けて道連れにされたともいえる。
 ふるさと納税は、自治体にとっても、地場産業にとっても、寄付者にとってもメリットのある「三方一両得」の税制で、最近ではまれなヒット政策とされる。一七年度に総額三千六百五十三億円にまで急拡大しているのが、その証左だろう。
 だが、「返礼品競争」をエスカレートさせた「張本人」は、ネット通販や商品取引のノウハウなどまったく持ち合わせていない自治体の職員を手玉にとった民間業者にほかならない。仲介サイト「ふるさとチョイス」をはじめ、大手のネット通販会社、通信会社、旅行代理店、広告代理店などが言葉巧みに続々参入、寄付総額の十数%をかすめ取っている。また、高額納税者ほど節税のうまみを味わえる仕組みで、低所得層の恩典は限られる不平等が厳然とある。
 総務官僚のメンツを保つためだけにゴリ押しした今回の法改正は、こうした根本的な制度の欠陥にはノータッチ。本来、収められるべき多額の税金が徴収されずに霧散している問題は放置されたままだ。「地方創生」を掲げる政府の足元で、プライドだけが高い総務官僚の無策ぶりにはあきれるほかない。


 週刊現代が変則の「月3回刊」に移行

 大型連休前に週刊現代編集部員から月3回刊行に移行すると聞いた。理由は、赤字が増え続けるため、少しでも紙代、印刷代を削減するのだという。その前に「週刊現代60年の祝いの会」をやったばかりである。野間省伸社長も出席していたが、そうした話は一切出なかった。
 週刊誌でも隔週刊誌でもない出版形態は、出版界始まって以来の珍事だが、その話は大きく広がらなかった。その理由は、連休明けの5月7日発売の号で判明した。週刊ポストは5月17・24日合併号で、次号発売は20日(月曜日)、定価500円。現代は5月25日号で500円。合併号とは謳っていないが、次号の発売はポストと同じ20日だった。週刊誌創刊以来、平週号のまま2週間売りは初めてではないか。5月20日に発売された現代は一週間売りだったから、次の号を2週間売りにして月3回刊にするのだろう。
 だが、読者に何の説明もないまま、なし崩し的にやるやり方は、おそらく大方の読者の納得を得られない。そうなれば元に戻して知らん顔をするのではないか。講談社ともあろうものが、と思わざるを得ない。
 1990年代後半、八十万部あった部数が今や1/4。週刊文春も、数々のスクープを飛ばしながら、減り続けている。そうした中で現代、ポストは、受けてはいけない手術、飲まないほうがいい薬、年金問題、相続問題と、企画ものでしのいできた。超マンネリだと揶揄されながらヘア・ヌードグラビアも続け、「死ぬまでセックス」もやり続けてきた。
 その結果が、読者に説明もせず、姑息なやり方で月3回刊へ移行するというのでは、これまで苦労してきた編集長たちはやり切れない気持ちではないか。もっとショックなのは、現代のこのやり方が話題にならないことである。もはや週刊誌に対する関心はほとんどないということの証左なのだろう。(この項、元木昌彦元週刊現代編集長記)


 近未来の医療、「スマート治療室」

 1年前に保険適用の枠が拡大された「ロボット手術」は、多くの大学病院で使われ、手術ミスを減らすなどの利点が認められる。AIによる検査や診断は、人間よりも正確という評価も出ている。今年度から本格的にスタートした「スマート治療室」は、この流れをさらに加速する近未来の医療のモデルになると期待されている。さまざまな医療機器やAI診断・検査、医療ロボットなどをインターネットと連結し、従来できなかった遠隔治療や手術、より精密で安全な手術を行えるようにする。すでに、東京女子医大や信州大学、広島大学などで臨床試験が行われ、全国で五カ所の大学病院が実施、あるいは準備を進めている。
 スマート治療室のメリットは、手術中の患者の状態が、総合的にリアルタイムでわかり、肉眼では見えにくい血管や神経などが鮮明な画像で瞬時に確認できたり、AIで最も適切な切除場所が判断できるなど、安全な手術や治療が可能なことだ。血管や臓器を傷つける判断ミスも防止できる。ベテラン医師が手術室にいなくとも、外からの指示も可能だ。
 スマート治療室はドイツなど他の医療先進国でも開発が進められているが、日本型のシステムが成功すれば、将来、海外展開も期待できる


 かくも長き池田氏「不在」、会長人事にも影響する?

 91歳の池田大作創価学会名誉会長の近影が機関紙「聖教新聞」で9カ月も掲載されず、「健康不安が再燃したのでは」との憶測を呼んでいる。近影が最後に紹介されたのは、昨年8月に長野県軽井沢町の創価学会研修道場を夫人と訪れた際のものだった。
 その後、創価学会にとって重要な記念日である?11月18日の創立記念日、?1月2日の池田氏の誕生日、?池田氏が第3代会長に就任した5月3日の「創価学会の日」──のいずれもスルーした。本来なら近影を見せて会員の士気を高める必要がある4月の統一地方選時も載らずじまいで、なぜか、池田氏が撮影したとされる風景写真が紙面で4月に紹介される不自然さが続く。
 2年前も8カ月間、近影が載らなかったが、「創価学会の日」に合わせて掲載され、健康不安を打ち消している。今回はそれ以上の長さで、その影響か、公明党は先の統一地方選挙で大阪市議選と京都市議選で各1人が僅差(4票差と6票差)で落選し、悲願の完勝を逃した。
 池田氏自身は2010年5月以降、公の場に姿を見せていない。その上、近影の「不在」がさらに続くなら、創価学会、公明党には今夏の参院選への不安が募るに違いない。
 さらに、統一地方選での大阪、京都両市議選の取りこぼしが、11月に原田稔氏(77)の任期が切れる会長人事に影響を与えそうだ。というのは、「ポスト原田」の最有力候補と目される谷川佳樹主任副会長(事務総長)が関西担当のためだ。
 創価学会において関西地区は「常勝関西」といわれるほど、集票力の高いのが自慢だが、前回は大阪市議選で1人が落選。今回、関西で取りこぼしがなければ、12年ぶりの全員当選となっていただけに、「常勝関西」の看板はすっかり色褪せることとなった。
 これとは対照的に、ライバルの萩本直樹主任副会長(総東京長)は担当の東京で完勝。前回は江東、板橋両区議選で落選者を出しており、結果を残した形だ。
 こうした状況下で、秋に「谷川会長」となれば、組織内から不満が出かねない。
 そもそも、池田氏が指導の前面に立っていた頃は、信賞必罰に徹し、選挙で結果を残せなかった幹部を容赦なく更迭していた。池田氏の体調に問題がなければ、このタイミングで「谷川会長」を決断するとは考えにくい。かといって「萩本会長」とするには、実績面で十分とは言い切れない。
 池田氏の健康不安が囁かれる現状では、会則を変更するなどして自身の権限を強めつつ、手堅く組織をまとめてきた原田氏の続投の可能性が高そうだ。


 EUが外為取引カルテルで三菱UFJなどに制裁金

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこのほど、三菱UFJ銀行と英米の金融大手4行が外国為替取引に絡むカルテルに関与し、EU競争法(独占禁止法)に違反したとして、総額10億7000万ユーロ(約1310億円)の制裁金を科した。三菱UFJには6975万ユーロ(約86億円)の制裁金が科された。
 カルテル行為の対象となったのは、米ドル、ユーロ、円、英ポンド、スイス・フランなど11通貨の直物為替取引。5行のトレーダーは2007年から13年の間の特定期間、ブルームバーグの情報端末に備わっているチャットツールを通じて、取引に関する情報をやりとりしていた。
 カルテルは2件から成り、三菱UFJはスイスのUBS、英バークレイズ、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)とともに、「エセックス・エクスプレスとジミー」と呼ばれるカルテルに参加していた。カルテルに関与していたトレーダーらは顔見知りで、「ジェームズ(愛称ジミー)」と呼ばれる一人を除き、英ロンドンの東郊エセックスから連れだって電車通勤していたことから、この名称が付けられたという。
 もう1つのカルテルは「スリー・ウェイ・バナナ・スプリット」と名付けられていた。こちらにはUBS、バークレイズ、RBS、米シティグループ、米JPモルガンが参加していた。
 UBSはいずれのカルテルにも参加していたが、欧州委員会に最初に自首したため、計2億8500万ユーロ(約349億円)の制裁金を全額免除された。三菱UFJを除く他の金融機関も相次いで自主申告したため、制裁金を20〜60%減額された。三菱UFJは唯一、申告しなかったため、和解手続きによる10%の減額が適用されただけにとどまった。
 EUの自主申告制度では、申告第1位に対して制裁金が100%免除されるほか、第2位は30〜50%、第3位は20〜30%、第4位以下でも最大20%減額される。三菱UFJがこの制度を利用しなかった理由は今のところ明らかではない。だが、日本国内でも課徴金減免制度を利用しなかった過失を問われて企業役員が株主代表訴訟を起こされた事案もあるだけに、悔やまれる結果となった。


 相次ぎ失踪・惨殺されるタイ王室批判の活動家

 不敬罪が厳しく適用されるタイで、王室を批判した疑いがかけられた活動家が行方不明となったり、逃亡先の海外から強制送還されたりする事件が続いている。
 2014年のクーデターで軍事政権発足後、タイを脱出しラオスからインターネットを通じて軍政や王室への批判を発信していた活動家のチュチープ氏が5月、仲間2人とともに消息を絶った。ラオスから偽造旅券でベトナムに入国しようとしてベトナム当局に拘束され、タイ当局に引き渡されたとみられている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は「隔離拘禁の場合、強制失踪や拷問の恐れが高まる」としてタイ当局に3人の居場所を明らかにするよう求めている。
 チュチープ氏らがラオスからベトナムに脱出しようとしたのは、昨年12月の惨殺事件があったからだ。別のタイ人活動家3人がラオスで何者かに連れ去られ、うち2人の遺体が見つかった。遺体は手足が縛られ、顔は判別できないほどつぶされていた。また、内臓を取り去り、代わりにコンクリートを詰めて見せしめにしようとした疑いがある。ラオスとベトナムでそれぞれ失踪した各3人のほかにも、16年と17年にラオスで各1人が姿を消した。遺体が確認された2人を含めると、消息を絶った活動家は8人に上る。
 一方、マレーシアに渡り、亡命を申請していたタイ人の女性活動家プラパンさんが5月中旬、強制送還され、バンコクの刑務所に収監された。昨年九月から12月にかけ、数度にわたって逮捕されたプラパンさんは今年1月、マレーシアに脱出。しかし、タイ政府の要請を受けたマレーシア当局が4月に逮捕した。
 軍政で治安問題を統括するプラウィット副首相兼国防相はベトナムで不明になった3人について、タイが拘束した事実はないと否定しているが、人権団体はタイ政府がラオスとベトナムを含む周辺諸国に圧力をかけ、逃亡した活動家の引き渡しを要求しているとの見方を強めている。


 米トランプ政権の強硬策に中韓は受け身の対応

 中国と韓国のトップリーダーに対し、米トランプ政権は強硬な対応策を打ち出してきた。
 中国との貿易戦争の核心は国有企業に対する政府からの補助金廃止と技術移転の強制をやめることを法律的に保障し、罰則規定を設けることだ。国務院や共産党青年団を中心とする若手経済官僚たちはこれを構造改革の好機ととらえているが、独裁を貫く習近平主席が受け入れるはずがない。その結果、求心力を高めるため、台湾侵攻の構えとその準備を始めている。習主席にとっては看板政策の一帯一路政策が今や中国の新植民地主義による中華経済圏の確立とみられる実態が露呈し、本人の体調も思わしくなく後継者も未定。現時点で米国と対峙していくことは得策でないとの判断が、中国最高指導部内にも広がりつつある。
 一方、韓国の文大統領に関してはトランプ政権内での評価が著しく低く、信頼関係も壊れているため、任期中の残り3年にどう対応するか、国務省内で議論が続いている。文大統領は南北関係改善と所得主導政策を看板政策としてきたが、経済政策は破綻。南北関係も北朝鮮の従属関係に陥った。四面楚歌となりつつある彼が主要政策としているのが、実は憲法改正だ。すでに昨年8月、憲法改正特別委員会を設置しているが、文氏の本音は韓国の憲法を北朝鮮のそれに合わせて改正すること。この動きは米国も注視しており、表面化すれば米国も強い行動に出ざるを得ないとみられている。


 トランプ氏が苦手な習氏、本当の「敵」は経済官僚

 中国の国家主席に就任して以来、習近平氏の最優先課題は米国と対等に渡り合える国家指導者のイメージ作りだ。しかし今や米中貿易戦争を受け、トランプ大統領からの攻勢に追われている。青年期に地方に下放されたため国際経験に乏しく、交渉事が得意でないため、実は彼にとって、トランプ大統領は最も苦手なタイプ。G20での首脳会談を受けるかどうかいまだ思案中だ。また、国内的にも江沢民氏や胡錦濤氏のように、国家主席経験者はこの時点で米国と衝突するのは時期尚早との考えで、今後習氏がより押し込まれる場合は、その地位から引きずり降ろそうとの構えも見せ始めている。
 しかし習氏にとって最も手ごわい国内の反対勢力は国務院を中心とする経済官僚たちだ。この機に国有企業への補助金を廃止し、そのお金で一刻も早く少子高齢化に備え、社会保障の充実を図るべきとの正論を主張しているからだ。
 就任以来、国家の資金を看板政策の一帯一路政策に使い、また、軍事費を大幅に増加し、独裁体制を固めてきた習氏だが、中国がこれからすぐ迎える少子化や労働人口の減少に目配りをしてこなかったツケが米国からの攻勢で明らかになりつつある。
 習氏がこのまま強気で対峙するのか、それとも国務院の意見を聞きながら今後の中国を見据えて軌道修正していくのか。習氏は今、重要な判断を迫られている。


 弱り目に祟り目の英国、LIBOR廃止の悪影響

 英国のEU離脱「ブレグジット」が世界経済を混乱させているが、英国発の混乱はこればかりではない。「LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)廃止の問題は、とても深刻かつ悩ましい問題だ」(メガバンク幹部)という。LIBORは、3050兆ドル(約3京9000兆円)余りの金融商品のグローバル指標として利用されている。その適用範囲は、住宅ローンや法人向け融資にはじまり、不動産融資、金利デリバティブ(金融派生商品)まで多岐にわたる。
 算出方法は、指定された複数のリファレンスバンクと呼ばれる有力銀行から毎営業日報告される午前11時時点のレートが集約され、指標金利として旧英国銀行協会(現在はインターコンチネンタル取引所)から発表されてきた。そして、このLIBORが2021年末にも廃止される。発端は12年に発覚した複数のリファレンスバンクによるLIBORの不正操作。LIBORは銀行の短期の資金調達コストを示す指標となるが、複数の有力銀行は、「実勢」よりも低く見えるように数値を操作し、不当な利益を得ていた。
 この反省から、英金融規制当局は21年末をメドにLIBORを廃止し、不正操作ができないような代替指標を各国の中央銀行が作成することを求めている。このため英中央銀行のイングランド銀行は代替として、ポンド建ての銀行間翌日物金利(SONIA)の改革に着手し、欧州中央銀行(ECB)はユーロ建ての銀行間取引金利(EURIBOR)の算出を見直している。また、米連邦準備理事会(FRB)もドルLIBORに代わる独自の指標を検討している。
 日本もその埒外ではなく、日銀に専門の委員会が設けられ、検討が進められている。委員会では海外での議論を睨みつつ、上場されている金利先物や、翌日物金利スワップを参照する方向で議論されているようだ。だが、LIBORは世界的に広く使われてきただけに、その代替指標を創るのは容易なことではない。LIBORを組み込んだ既存の契約についても再交渉を行う必要が出てくるとみられており、LIBORを基準にプログラムされているコンピューターシステムも全面的な更新作業が避けられない。このため、日銀では専門委員会の下に、法令・契約に関する議論を進める分科会も設けた。
 4月1日付で全国銀行協会の新会長に就いた高島誠氏も就任会見で、「LIBORの廃止への対応も非常に重要な課題である。金融市場や市場参加者への潜在的な影響も大きいことから、可能な限り各国、各通貨間で平仄を取った慎重な検討が必要であり、積極的に議論に参画していきたい」と述べた。
 ブレグジットの影響で、世界的な金融街である英国のシティから外資系金融機関がルクセンブルクなどへ拠点を移す動きも活発化している。そこにLIBOR廃止が重なることは、シティの沈没を招きかねない。


 借金で首が回らない中国内部事情の闇

 IMF(国際通貨基金)もADB(アジア開発銀行)も世界銀行も、いや、中国共産党のトップも中国の負債総額がいくらなのか、実は誰も知らないのだろう。ある学者が「中国のGDP(国内総生産)の成長率は1.67%だ」としたが、それでも多過ぎる。実際のGDP成長率はマイナスとする観測が方々の専門家から挙がり、また中国内部でも朱容基元首相の息子のグループは、負債総額9900兆円だとする衝撃的な数字を挙げた。欧米の金融界は中国企業の社債に2%以上の金利上乗せ、IMFもすでに中国向け融資の金利を上げると公表。「チャイナ・プレミアム」が発生している。
 そして「借金の罠」論がようやく世界金融界の常識となり、「AIIB(アジアインフラ投資銀行)はサラ金のようなもの」と比喩した麻生財務相の発言は正鵠を射ていたことを西側は共有できるようになった。さらに追い打ちをかけるかのように5月4日、フィジーで開催されたADB年次総会で麻生財務相は、中国に借り手としての「卒業」を促した。
2018年だけでもADBは中国向けに26億ドルを貸し付けている。今後、中国からの借金要請にADBも金利を上げるとした。言外にはあれほど鳴り物入りで設立した中国の「AIIBがカネを貸せばいいではないか」と皮肉っているのだ。そのAIIBは設立3年目で、ようやくロンドンで起債に踏み切った。5年償還で金利は2.25%だった。
 中国が最大の債権国はモンゴル、モンテネグロ、パキスタン、ラオス、キルギス、モルディブ、ジブチ、タジキスタンだ。いずれも借金の罠にはまりIMFに救援を要請するのは時間の問題だと予測されている
 IMFが救援を決めると困惑するのが貸し手の中国。IMFは債権国に80%前後の債権放棄を迫るから。米国のロジウム・グループ報告書によれば、中国の一帯一路融資物件のうち38件、500億ドル強の債務のリスケがあった。このうち14件は債権放棄というが秘密の2国間交渉だったために詳細は公表されない。中国発の世界的な金融危機、間もなく爆発する危険が高まってきた。


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