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麻生財務相は官僚掌握が得意?


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■巻頭リポート


「統計不正」発覚でも大臣は辞めずに通す!?
安倍内閣がたどり着いた政権維持の「極意」

■サンプルの入れ替えが意図的に行われていたことがうかがえるとしたら、その目的は何か。問題は2018年にある。時は自民党総裁選に動き始めた時と重なっていた――

 厚生労働省による「統計不正」が安倍晋三政権を揺さぶっている。この統計が失業保険の給付算定に使われていたことから、過少給付の「実害」を受けた人が、のべ2015万人に達する見込みだ。第1次安倍内閣を崩壊に追い込んだ「消えた年金」を彷彿とさせる内容だけに、安倍官邸は火消しに躍起になっている。1年前に発覚した財務省による公文書改竄では、財務大臣が居座りを決め込むことで逆に政権への批判を抑え込むことに成功した。どうやら、今回も居座りで乗り切る腹積もりのようである。
            
            ◇

不正ではなく不適切
問題を過少に見せる


 不正が発覚したのは厚労省が毎月発表している「毎月勤労統計調査」。本来500人以上の規模の事業所については全数調査を行うことになっていたものを、東京都だけ全数ではなく3分の1程度の抽出調査(標本調査)の方法で行っていた。大企業の多い東京都だけ全数調査を抽出調査にしていたことが「不適切」だった、というのが政府の説明だ。この「不適切」な統計は2004四年から始まっていたという。
 各種調査では抽出調査が行われているだけに、全数調査を抽出調査にしても、さして大きな問題ではないのではないか、と思われるかもしれない。実際、03年に作られた厚労省のマニュアルである「事務取扱要領」に、「全数調査でなくても精度が確保できる」とする記述があったとされる。
 今回の事態を政府が「不正」ではなく、「不適切」な調査だったとするのも、問題を小さく見せようという意図が働いている。
 だが、現実には全数調査にしないことで、大きな問題が生じていた。大企業の多い東京都だけ抽出調査にすることは、全国平均から給与の高い大企業の一部を除外することになるわけで、その分、統計の1つである「現金給与総額」は本来の数字よりも小さくなる。統計学的にいえば、大企業だけ全数調査をすれば、当然、大企業の影響が大きくなりすぎるともいえるので、抽出調査に変える意味はあったかもしれない。ただし、厚生労働省は調査方法の変更について正式な手続きを一切取らず、公表もしていなかった。

麻生財務相の疑義発言と
異様な数値変化の関係


 今回、問題が大きくなったのは、抽出調査に変えていたことで、「現金給与総額」が下がったことが、失業保険などの実際の保険金支給に影響を与えることが判明したからだ。世の中の平均給与から保険額を計算する仕組みになっており、その基準に毎月勤労統計調査が使われていたのだ。給与額の平均が下がれば、当然、支給額が減ってしまうわけで、その影響がのべ2000万人超という膨大な数になったわけだ。
 厚労省は、04年になぜ不適切な調査が始まったのか、「調査中」だとしている。当時のことが分かったとしても、おそらく、「人手不足に対応した」「精度には問題ないという判断だった」とする回答しか出てこないだろう。実際、抽出調査への変更に「不正をする意図」があったとは思えない。
 では、この1件は騒ぐほどのことはないのか、というとそうではない。
 問題は、15年になって「事務取扱要領」から前述の抽出調査で問題ないとする記述が消えたことである。実はこの頃、1つの動きがあった。15年10月16日に首相官邸で行われた経済財政諮問会議。その席上、麻生太郎副総理兼財務相がこう発言していることが、公表されている同会議の議事要旨に書かれている。
「毎月勤労統計については、企業サンプルの入替え時には変動があるということもよく指摘をされている。(中略)統計整備の司令塔である統計委員会で一部議論されているとは聞いているが、ぜひ具体的な改善方策を早急に検討していただきたいとお願いを申し上げる」
 このタイミングで厚労省は、調査方法のマズさに気付いたと思われる。だから、マニュアルから外したのだろう。麻生財務相も、その発言原稿を書いた財務省の官僚も、調査が抽出で行われ、3年ごとに総入れ替えされているのを前提にしており、まさかその調査方法が「不適切」だったとは感づいていない。つまり、ここからの厚労省の対応が「不正」の始まりだったとみられる。
 麻生氏がこの調査に触れたのには理由があった。3年ごとに行われてきたサンプルの総入れ替えは、15年1月に行われたが、マニュアル通り、過去にさかのぼって実績値が補正された。ところがその結果、安倍政権が発足した12年12月以降の数字が下振れしてしまったのだという。これを麻生氏が問題視したというのだ。
 それから3後の18年1月。この時のサンプル入れ替えによって驚くべき数値の変化が起きる。入れ替え後の、現金給与総額の伸び率が「異様な」高さを示したのだ。対前年同月比で18年5月が2.1%増、6は3.3%増となったのである。6月分の速報を厚労省が発表したのは8月7日。ちょうど自民党総裁選に向けた各政治家の動きが始まったタイミングである。速報段階では6月は3.6%増とさらに高い数字が発表されていた。
(以下、本誌をご覧ください)
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