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「安倍長期政権はとうとう、心地よい声だけを聞こうという仕組みを考えるまでになったのか…


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■<シリーズ>メディア激動時代(110) 神余 心


放送改革で「安倍官邸vs.放送・新聞」
「政治的公平」の撤廃めぐり暗闘勃発!

■フェアネス・ドクトリン(公平原則)が廃止された米国は偏向番組やフェイクニュースが激増。安倍総理の期待は、自身を応援してくれる「日本版FOXニュース」か。動機が不純だ――

 放送制度の改革をめぐって、安倍晋三総理官邸と放送・新聞界の間で暗闘が勃発している。
 3月半ば、安倍側近が作成したとされる「政治的公平」を義務づけた放送法4条の撤廃などを内容とする文書が出回り、水面下の綱引きが一気に表面化した。
「放送」と「通信(ネット)」の垣根を取り払おうという構想は、「民放不要論」につながりかねず、安倍シンパとされてきた読売新聞・日本テレビを先頭に、放送界や新聞界が猛反発し、野党も呼応。放送を所管する野田聖子総務大臣は異を唱え、与党からも批判が噴出している。
 安倍官邸は「火消し」に躍起になっているが、議論の舞台となる政府の規制改革推進会議は、「安倍親衛隊」の牙城だけに、6月にもまとまる答申は安倍総理の意向が反映されても不思議ではない。
「安倍礼賛放送局」をつくりたい思惑が透けて見える放送改革は、民主主義の根幹にかかわる重大問題に発展しかねない。

永田町などに出回った
「放送規制」全廃の文書


・「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃
・番組編集基準の撤廃
・番組審議会の廃止
・番組ジャンルの調和基準の廃止
・マスメディア集中排除原則の撤廃
・外資規制(20%未満)の撤廃
・放送番組のソフト事業と放送設備のハード事業の分離徹底
・NHKに関する規制は維持
・NHKのネット活用を本格化
 3月中旬、永田町や霞が関に出回った総理官邸が作成したとされる「放送事業の大胆な見直しに向けた改革方針」と題する文書には、「放送事業の規制」をほぼ全廃する内容が具体的に記述されていた。
「放送」と「通信」で異なる制度を一本化しようというのが謳い文句だが、実態は「放送」という制度を事実上なくして「通信」に統合し、民放テレビ局とネットの動画配信サービスを同列に扱おうという構想だ。実現すれば、「NHKを除く放送は基本的に不要」になり、「放送用の電波帯域に余裕が発生」するため、空いた帯域を電波オークションで利用者への割り当てを検討することまで盛り込まれていた。
 この中で最大のポイントは、放送番組の制作にあたって「公序良俗を害しない」「政治的に公平」「事実を曲げない」「意見が対立する問題は多角的に論点を明らかにする」と定めた放送法4条の撤廃だ。これは、大本営発表をたれ流した戦前の反省に立って、戦後一貫して進めてきた放送行政を根底から覆すものといえる。

安倍総理が連発した
前のめり発言


 放送改革に意欲を燃やす安倍総理は年明けとともに、前のめり発言を連発してきた。
 1月22日=施政方針演説「通信と放送が融合する中、国民の共有財産である電波の有効利用に向けて大胆な改革を進めていく」
 1月31日=新経済連盟新年会「ネットテレビは放送法の規制はかからないが、見ている人には地上波と全く同じだ。法体系が追いついていない」
 2月1日=政府の未来投資会議「通信と放送の垣根がなくなる中で、放送事業のあり方の大胆な見直しも必要」
 3月2日=BSフジLIVEプライムニュース10周年の集い「電波・通信の大改革を行いたい。大競争時代に入り、ネットや地上波が競合していく」
 安倍発言を受けて、規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大学教授)は2月初め、放送改革を担当するワーキンググループ(座長・原英史政策工房社長)が議題に取り上げ、急ピッチで有識者や業界関係者から聞き取りを開始した。
 一連の安倍発言は一見、ネットの進展に伴う時代の変化への対応を求めている点で、もっともらしく聞こえる。だが、一皮向けばそんなきれいごとではないことがわかる。かねてから安倍総理は、政権に批判的な民放局への不満をたびたび口にしてきた。それだけに、放送改革を言い出した裏には、民放局の批判封じはもちろん、「安倍礼賛放送局」の登場まで目論んでいるフシがある。
 こうした中、「放送改革方針」という名の「放送消滅方針」の文書が突如、浮上したのである。

放送界は
こぞって猛反発


 放送界は、即座に反発した。
 一報が伝わると、日本民間放送連盟の井上弘会長(TBSテレビ)が3月15日、「『放送の2元体制』は維持できなくなる。ネットは未成熟で、間違った情報によって問題が起こったりしている。単なる資本の論理や産業論だけで放送を切り分けてほしくない」と懸念を表明。「放送の価値向上に関する検討会」を立ち上げて理論武装を急ぐことを決めた。
 民放トップも異口同音に反対論を展開した。口火を切ったのは、安倍シンパと目されてきた日本テレビの大久保好男社長で3月26日、「影響力の大きい放送に何の規制もないネットと同様のコンテンツが流れるのは、間違った方向の改革ではないか。民放事業者は不要と言っているに等しく容認できない。強く反対したい」と対決姿勢を鮮明に打ち出した。
 翌27日には、テレビ朝日の早河洋会長兼CEOが「民放の歴史的歩みを踏まえた丁寧な議論を強く求めたい」。TBSの武田信二社長は「民放不要、民放解体ということなら反対だ」(28日)。テレビ東京の小孫茂社長は「視聴者を置き去りにした議論は、軌道修正を迫られる」(29日)。フジテレビの宮内正喜社長も「民間放送の存在の根幹を脅かす形で法改正などがなされれば断固として反対する」(30日)と続いた。
(以下、本誌をご覧ください)
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