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強気なのか弱気なのか、解散に向けての言動には複雑な心境が読み取れた安倍首相

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期待した前原代表

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■巻頭リポート


安倍「追い込まれ解散」でも自民大勝?
民進党が実質「解体」で送る塩


■自民党のベテラン議員たちが始めた静かな「安倍降ろし」に、野党はいいように翻弄されている体だ。解散・総選挙を機にアベノミクスによる景気浮揚が変調をきたすのか

 9月17日夜、大手メディアが一斉に「臨時国会冒頭での解散・総選挙」を報じた。翌18日に国連総会に出席するため羽田空港で政府専用機に乗り込む前、安倍晋三首相は記者団に「いちいち答えることは控えたい」と不愉快そうに語ったが、「帰国後に判断したい」とも付け加えた。解散・総選挙をやらないことを判断するなら、「白紙」と言っておけばよいわけで、この段階で「解散総選挙」は確定的となった。それにしても安倍首相の顔色は悪かった。
            ◇

番記者が読んでいた
「選挙は遠のいた」


 解散・総選挙には多くのメディアが虚実解説をしている。だが、安倍首相の顔色の悪さこそ真実を物語っていた。それもそのはず、解散は安倍首相から言い出した話ではなかったからだ。安倍首相をじわじわと追い込む流れが自民党内にでき上がりつつあった。
「権力者側が自分の都合で解散するのは果たしてよいものか」。安倍シンパであるはずの産経新聞が河野洋平・元衆議院議長のそんな「苦言」を報じたのも、安倍首相の胸の内を忖度していたのかもしれない。17日夜に自民党の選挙対策委員長である塩谷立・衆議院議員は安倍首相に会うと、待ち構えていた記者たちに、「解散だ」とリークした。背後には官房長官である菅義偉・衆議院議員の存在があるとされる。
 実は、秋の臨時国会冒頭での解散説は、かなり早い段階から流れていた。6月に通常国会が終わったあたりでは、ほぼ「既定路線」になり、民進党の幹部の中にも9月解散、大安吉日の10月22日に投開票と読んで、地元に選挙向けの活動を指示している議員がいた。もともと10月22日は3つの衆議院議員補欠選挙が予定されていた。
 民進党が急遽、蓮舫代表を辞任させ、党の「顔」を入れ替えたのも、国籍問題などで評価を下げた蓮舫氏では選挙は戦えない、という党内議員の声を受けたものだった。何せ、首相官邸からは、「蓮舫を追い込むな。蓮舫代表と選挙を戦えば、大負けしない」という指示が飛んでいるという噂が、民進党議員の間にまで流れていた。
 だが、安倍首相にとって逆風が吹き荒れる。加計学園問題だ。年初から問題になっていた森友学園に、加計学園の獣医学部新設の話が加わり、安倍首相個人の人気が急落したのだ。NHKの世論調査では、7月の内閣支持率は35%と前月から13ポイントも低下。不支持率が四八%と支持を大きく上回った。この段階で安倍首相は秋の解散を見送る意向を強めたとされる。
 8月3日の内閣改造に伴う人事を見て、安倍首相に近い記者たちは、選挙は遠のいた、と見た。というのも、二階俊博氏が幹事長として留任、選挙対策委員長に塩谷氏が就いたからだ。この2人を看板にして選挙を戦うことはありえない、というのが「番記者」たちの判断だ。党内をまとめるために安部首相は二階氏に急接近していたが、選挙の顔とは考えていなかった。塩谷氏は自身が選挙に決して強くない。他の候補の応援に出向いて自身の選挙活動ができなければ、落選の憂き目に遭いかねないと見られたのだ。
「どう見ても、選挙のための布陣ではない」と、首相に近い記者の1人は語っていた。

足を引っ張り始めた
麻生、菅両氏


 民進党の代表選挙で前原誠司氏が当選したことで、民進党が再生に向けて結束するかに見えたことも、選挙は遠のいた、と思わせる一因だった。
 次の選挙での「台風の目」になることが確実な「小池新党」も、所属することになるとみられる議員たちの確執が続いており、なかなか形にならない。急いで選挙を打つ必要はない、という判断に首相周辺は傾いていた、とされる。
 安倍首相からすれば、加計学園問題のほとぼりが冷めるのを待って選挙に出ても遅くはない。来年9月には自民党の総裁選があるが、「誰を顔に選挙を戦うか」という選択肢になれば、安倍氏が最も有利になる。今の民進党が1年後に政権を担える党に脱皮できる可能性はほとんどないだけに、安倍政権が長期化することは間違いない。
 そうした状況になることを恐れた自民党のベテラン議員たちが、静かな「安倍降ろし」を始めたのだ。今ならば安倍首相の人気凋落で選挙に勝つことは難しい。かといって民進党など野党が不甲斐ない状況で、大負けすることもない。「安倍一強」といわれた党内情勢は選挙を機に大きく変わる。安倍首相が政権を放り投げれば、それはそれで構わない。そんな党内のムードが広がったのだ。
 このところ安倍内閣は一枚岩とはいえない状況になっていた。党内基盤を強めるために二階氏を重用したことで、ライバルである菅氏は不満を募らせているとされる。8月の人事でも菅氏は幹事長への転出を希望していたという。党内主要ポストの経験が薄い菅氏からすれば、「先」を考えればいつまでも安倍首相の女房役に徹しているわけにはいかない。党内に睨みをきかせられる幹事長ポストが何としても欲しかったのだ。
 一方、麻生太郎・副総理兼財務相も安倍後継に並々ならぬ意欲をにじませている。もともと麻生氏は1年で「不完全燃焼」のまま首相を退任した過去の思いがある。年齢的に自ら首相を務めるのは無理な場合、岸田文雄・衆議院議員を後継指名してキングメーカーとして実権を握るとの見方もある。
 いずれにせよ、菅氏も麻生氏も水面下で安倍首相の足を引っ張り始めているというのだ。森友学園問題では、麻生派の重鎮である鴻池祥肇・衆議院議員の事務所から情報が流れていたり、加計学園問題では焦点の1人だった獣医師会の幹部が麻生氏と昵懇の関係だったりするなど、疑惑追及の背後に麻生氏がいるとされていた。
 こうした「身内の裏切り」を安倍氏もひしひしと感じ始めていたという。
(以下、本誌をご覧ください)
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