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積水ハウスの怪奇?


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■企業コンプライアンス


63億円支払った地面師事件
積水ハウスはなぜ騙されたのか

■大量の宣伝費で業界トップになった大企業に何が――

 史上最大の地面師事件が発覚した。場所は、東京・五反田の「海喜館」という観光旅館。JR五反田駅から徒歩3分という一等地に、約600坪を所有していたSさんという73歳の女性に成りすましていた女が、大手住宅メーカー・積水ハウスから偽造書類などで63億円を騙し取った。
 不動産業界が驚いたのは、金額の大きさもさることながら、物件の精査に厳しいはずの大手の積水ハウスが、弁護士も同席した取引の場で、怪しげな「成りすまし女」や札付きのブローカーが繰り出す嘘を見抜けずに、4月24日の売買契約で15億円を手付金として支払い、6月1日の決済日に48億円と、合計63億円を払い込んでしまったことだ。
 不動産業界の事情通が嘆息する。
「物件自体が有名だった。建物は築70年近くで老朽化し、営業していないせいか朽ち果てた印象で、『怪奇館』と呼ぶ人がいたほど。多くの業者が買いに訪れたが、Sさんは『売らない』の一点張り。でも、独身で1人住まいなので、『いつか地面師に狙われる』という風評が流れていた。その通りになったけど、まさか積水ハウスとは……」
 地面師とは、土地を詐取する仕事師のこと。大切なのは情報と人物の仕込み。まず土地は、権利関係が複雑でなく、ある程度まとまり、所有者が不在か遠方にいるのが望ましい。そうした土地を探すと、今度は所有権者に成りすます男女を探す。さらに本人確認のパスポート、運転免許証、印鑑登録証明証、土地の権利書などを偽造する。
 その上で買い手を探す。ここが最も難しく、大手だとコンプライアンスを含めてチェックが厳しい。といって不動産は小さくとも数億円になるので一般投資家が手を出せるレベルではない。勢い、訳あり不動産でも厭わない中堅中小の業者やブローカーが相手となる。「狐と狸の化かし合い」で、脇が甘い業者を探さねばならないが、積水ハウスほどの大手が、こんな古典的な地面師犯罪に引っかかったのはなぜか。

業界で話題になった
「積水ハウスは大丈夫か」


 海喜館事件に絡んだのは、「池袋のK」と呼ばれる成りすまし女に、仲介者のKとD、それに偽造を請け負ったMに、事件構図を最初に仕組んだHなど10人足らずである。この地面師グループは、63億円もの大金をせしめて、小躍りして喜んでいるに違いない。
 地面師グループが始動したのは、昨年秋頃からだった。事件に欠かせないのは「本人不在」。本人がいれば積水ハウスが海喜館に出かけ、Sさんと会えば嘘は簡単に見破られる。Sさんの入院による長期不在を突き止めたHが、「池袋のK」をSさんに成りすませ、偽造屋のMがパスポートなどを偽造、KとDがブローカー人脈を駆使、食いついてきたのが千代田区永田町の元代議士事務所に同居するIKUTAホールディングスという会社だった。
 バブル期には人脈も資金力もあったというIKUTA社のオーナーが、何社かの不動産会社に声をかけ、積水ハウスが応じてマンション用地として取得。4月24日の契約日には、売主サイドには「池袋のK」、仲介者のK、委託を受けた港区のT弁護士がいて、買主サイドには、直接の購入者であるIKUTA社のオーナー、次の購入者である積水ハウスの担当者、それに司法書士と弁護士が書類関係をチェック、本人確認を行った。
 それから本契約の6月1日までの間には、「業界ではあまりに有名な案件なので、積水ハウスは大丈夫か、という声があがっていた」(前出の事情通)という。しかし、そうした“雑音”に耳を貸すことなく積水ハウスは決済に至った。今後、警視庁の捜査が本格化すれば「闇」は解き明かされるが、「脇が甘い」で済まされる問題ではない。
 この件について積水ハウスは「分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして」と題したコメントを出し、「捜査機関に対して被害の申入れを行い、その捜査に全面的に協力する」「今後も再発防止に努めてまいります」としているのだが。
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