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震災を機に協力し合い支え合う日本のよき慣行が見直されている。今こそ日本型経営を見直すべきではないか?

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日本型経営を実践しているサイバーエージェントの藤田晋社長

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■巻頭リポート


震災復興と活力ある国づくりのために
「日本型家族的経営」再評価で経済再興


■失われた20年と米国型経営礼賛の時期は一致している。震災で雇用が大打撃を受けた今こそ、かつて世界中が見習った日本型経営モデルを再構築すべき時ではないか──

日本の強さの秘密だった
家族的経営を再評価


 日本型経営の強みは、経営者、従業員、取引先企業が協力し、信頼をベースに支え合う共同体的な組織風土である。単なるゲゼルシャフト(利益社会)的契約組織ではないゲマインシャフト(共同社会)的組織を作れば、新たな知恵や価値を生み出す。
 米国は2008年のリーマン・ショックにより市場経済システムが破綻し、金融資本ばかりか個別産業の自動車業界まで公的資金により救済、新市場主義は地に落ちた。米国型から決別し、調和のとれた日本的労働慣行の良いところを復活させれば道は開けるのではないか。
 20年ほど前までは、日本型家族的経営主義が「日本経済の強さの秘密」と欧米やアジアでもてはやされ、サッチャー英首相が「日本に学べ」と言い、マハティール・マレーシア首相が「ルック・イースト」と呼びかけたこともあった。
 世界各国企業が「日本型経営」を導入し、英国企業の工場では従業員が家族ぐるみで参加する「運動会」が開かれたほどだった。
 ところが1991年末のソ連崩壊や日本のバブル崩壊などにより、「グローバル化」という掛け声の下、米国型経営方式が礼賛されるようになった。バブル崩壊後、長期不況にあえいでいた日本企業の多くが「米国型経営」を実践し、それまでの日本型経済を投げ捨て、従業員の解雇や非正規化、成果主義評価を進めた。株主が株式を所有し、会社をモノとして売り買いする、殺伐としたマーケット重視型企業風土となってしまったのだ。
 しかし、「失われた20年」の中においても、キヤノン、コマツ、パナソニックなど、日本式経営を継続させてきた企業が成功する例も出現、内外で再評価の気運が高まっている。
 会社は本来、設備を所有して従業員を雇い、共同体的組織として中長期的な事業計画に基づく存在だ。日本型家族的経営主義は文字通り終身雇用制を基軸に、労働者が会社に対する高い帰属意識を持ち、企業側も雇用の確保を保証するもの。安心して仕事に邁進できるので生産性が上がる。硬直的年功序列などの弊害をなくした上で、「安定的な雇用の確保」の理想に近づける努力が急務だ。
「グローバル化による生き残り競争が激しく、そんな余裕はない」との反論が経営側から聞こえてきそうだが、仕事の総量を多くの人で分け合う発想が労使双方にあれば問題はない。政府も財政・税制面でこれを全力でサポートすべきだ。東北の被災地を中心に「特区」をつくるのも有力な経済・雇用対策になる。
 伝統的なモノづくりや従業員重視で金融危機後も好調を維持しているドイツを見れば、組織や中長期的な付加価値重視の経営の強靭さを理解できる。フォルクスワーゲン、BMWなどはその一例。新自由主義の元祖、米国で、グーグルやフェイスブックなど、米国の若い企業が同様の従業員や組織を重視する経営で絶好調なのも大いに参考になる。
 今回の大震災によって多くの東北地方の工場が被災したが、ファスナーのYKKや段ボールのレンゴーなど大手優良企業のほか、中小企業の多くも従業員を大事にし、大半は「雇用を守り、共同体意識を大事にする」、「従業員が献身的に頑張ってくれ、絆の大切さが分かった」という。

ドラッカー氏も認める
家族意識の重要性


 医療機器、カメラのオリンパス社長に外国人として初めて就任したマイケル・ウッドフォー氏は「最初に日本企業(三菱電機)で学んだことが人生の大きな糧であり、ベースとなっている」とし、「最大の財産は、チームワークの重要性を学べたことだ。成功や喜びを一人でエンジョイするのではなく、周囲とシェアすることの大切さを教えてもらった。常日頃、組織上の肩書に捉われず誰にも分け隔てなく応対することを心掛けている」と語っている。
 また、「ドイツと日本の企業は文化的に似ているところがある。クオリティ向上への飽くなきこだわりは、その最たる例だ。また、仕事を自分だけの仕事としては捉えず、後継にバトンタッチされていくものとして、つまり自分が仕事や会社の進化のプロセスに貢献しているという発想が強い。そのような組織では、必然的にチームワークが共通言語となる」と指摘している。
 今やブームとなっている米経営学者、ドラッカー氏も「日本人の強みは、組織の構成員として一種の家族意識を有することにある」と記述。さらに「あなたは何をしているかと聞かれると、欧米人は『会計士』などと言うが、日本人は『トヨタに勤めている』などと答えるのが常。狭い意味での自分の職業などに自己を限定せずに自らの所属する組織を語るということは、組織の構成員として一種の『家族意識』を有していることの証拠であり、この点にこそ日本最大の強みがある」と強調している。
(以下、本誌をご覧ください)
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